反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

橋下「いしん」政治。得手勝手な米国サルまねの新しい公営経営(New Public Manaagement <NPM>から、新たな地方官僚モデルの登場と地方政治の全体主義化。

    ポスト官僚制時代の新たな地域市民運動のために  村澤真保呂http://researchmap.jp/mahoro_murasawa/
 <はじめに>
~W。米国、流儀の直輸入であることに変わりなし。この真相が政治思想の選別作業の不行き届きによって、認定されていない現状がある~
    本文抜粋
民間手法を取り入れによる、新たな行政改革が進行している。
 
<首長やその周辺(W。地方官僚制度、議会政党序列、市民の在り方~市民運動)にも変化が表れている。
住民から圧倒的な支持を受ける首長が登場し、彼らは住民方圧倒的な支持を受ける首長が登場し、彼らは時に民間企業のオーナー社長のようにふるまいながら、議会との間でしょちゅう争いを起こすようになった。
~こうした行政機関の変化に直面して、市民たちの間にも、また市民運動の在り方にも(W。具体的に後述されている。自民党共産党が住民意思の代表者となると云う大阪都構想反対運動の先行事例が滋賀県大津市で発生した。)変化が生まれてきている。
 
     本論の論述形式
地方自治体に生じている変化の内容とその背景を検討し、<かつての官僚制とは異なる新たな官僚制が登場>していることを示すとともに、
そこにおける様々な問題について、市民運動との関連から整理することにより、今後の市民社会の在り方を考えることにしたい。
 
       1、近年の地方じちぃ体における政治変化(1)官僚制の民営化
 <官僚制支配改革(民営化)の歴史的経緯>
民営化は(プライバタイゼーション)戦後のワシントン合意に遡る発想。
世界銀行、世界貿易機構(WTO)、国際通貨基金IMF)などの基本方針として以前から途上国で採用され、←(W。キーワード!民営化=途上国で採用)先進国は80年代のサッチャー政権で極めて強引に実施されたものである。
それは現在新自由主義と呼ばれる潮流の基盤をなす政策であり、91年のソ連崩壊後に世界中で広まったものである。(W。ぜい弱ゴルバチョフ後の、エリツィンフリードマン等のシカゴ学派市場原理主義の顧問の指導のもとに13歳以上の国民に額面付きにクーポン券を配り、国営企業を売却し、ハイパーインフレ下で、生活の糧を求める市民のクーポン券の売却を呼び起こし、金融寡頭制支配者(オリガルヒ)への資産集中を短期間のうちに発生させた。このようなボタンの大きなかけ違いから生まれた現ロシア国家に対して、直近のウクライナの多くの国民が離反し、EUに傾くのは歴史の大きな流れであり、止めようがない。ソ連スターリン主義の積年の付けを今ロシア、ウクライナの民衆が支払っているのである。ソ連邦崩壊以降の歴史を引き継ぐ内乱過程の深化は不可避。)
 
2、こうした官僚制の弊害への改革が叫ばれ、実行に移されるようになったのは、
まず、80年代の中曽根政権で<民営化><民活>がキーワードになり、マスコミや財界、市民たちが諸手を挙げ賛同した時期からであろう。
国鉄清算事業団、分割民営化JR(W。国民資産の私的資産化)。通信金融の規制緩和(W。NTT株上場、金融、企業会計米国基準化=時価株評価、企業会計へ)医療年金の改革などを柱とする<構造改革>が開始した時期である。
~この改革は国民の多くに歓迎された。その後も民営化路線は着々と継承され、今や公務員批判と民営化は保守政治家の常とう手段となっている。
 
マスコミが公的組織や公務員の不祥事や問題を取り上げそれらの組織を民営化し、市民が溜飲を下げる、というサイクルが日常化したのである。←マスコミ~公務員問題報道~橋下等の対抗物~市民フラストレーションの発散。こういうサイクルの極致を行く先鞭をつけたのが、無節操な大阪発関西マスコミである。歴史的市場原理主義、拝金主義に対する自覚がない、というより、かつてはもっと豊かの文化があったはずなのに、ある時から節操をなくし美化するようになった。)
 
 3<中曽根民営化、民活と小泉政権以降の大きな違い>
かつては日本型社会主義とまで揶揄された行政システムの巨大な官僚機構の一部を民営化するだけだったのが、(W。GHQにいよって解体されなかった戦時の官僚主導体制が敗戦後も生き残って、高度成長の金融産業界と市場の枠組みを行政指導し、プラザ合意バブル崩壊~冷戦体制崩壊の1990年までの日本の経済大国化を下支えした?)
>現在では中央官庁と裁判所、政府などの一部を除きほとんどすべてを、<民営化>しようとしていることにある。
W。国家暴力装置と官僚機構、政府機能以外は全部、民間企業の経営システムに変貌させようということである。
正確に言い換えると現在の行政システムは、単に民間企業を利用する<民活>のようになっただけでなく、それ自体が民間企業の経営システムへと変貌したのである
それとともに旧来の官僚システムも、その民営化あるいは、[民間企業化]によって大きく姿を変えつつある。
 
(2)新しい公営経営(New Public Manaagement ニュー、パブリック、マネジメント、<NPM>
<NPMの先行事例~1995年、三重県政、北川正恭http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%B7%9D%E6%AD%A3%E6%81%ADの県政改革が最初であろう。
<さわやか県政>~W。橋下の一元的権力権限集中型の目立つ改革とはニュアンスがかなり違い、区別をすべきである。
<さわやか運動>の特徴は、県民を顧客とみなして「顧客第一主義」を掲げ、地方自治体をサービス業と位置づけ、クリントン大統領が絶賛した(W。この時点のバブル崩壊後の日本と冷戦体制崩壊のボーナス、IT産業隆盛の米国の立ち位置が大きく異なることから、日本ではそれが、減量経営としか機能しない)~地方自治体の行政改革とその手法として『新しい公共経営NPM」が日本で大流行になる。
 とりわけ国内では、地方自治体の財政ひっ迫と相まって、行政サービスの効率的運営をうたうNPMは90年代以降、大いにもてはやされ、現在でもその流れは止むどころか、ますます拡大する気配を見せている。
 
>NPMとは、その代表的な論客の一人であり大阪市長橋下徹のブレインの一人である上山信一大阪市生まれ。大阪府立豊中高等学校卒業。1980年昭和55年)京都大学法学部卒業後、運輸省入省。1983-84年米プリンストン大学に政府派遣留学(公共経営修士号取得)。1986年同省を退官し、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1992年同社共同経営者に就任。2000年までに大企業20社の改革を手がける。同社在籍中に行政に「評価」と「経営」の考え方を入れることを提唱。)によれば、
 
平たく言ううと、民間企業の経営原理を行政のマネジメントに埋め込んでいくことであるW。民間企業は利潤追求が目的。他方自治体は、公共空間。米国とは風土や事情、歴史があまりにも違いすぎる。日本ではここをはっきりさせないと、民間企業の利潤追求もゆがんできて長い目で見ると人的物的コスト高が生じる。」
 
>それは
「議会制民主主義と近代官僚制を修正し、ひょっとすると否定していく<現象>なのである。」W?
 
 この上山の言説は正しいどころかむしろ、NPMを過小評価しているとさえ思われる。
W。そこまでいえば過大評価。米国ではポピュリズムとか、テーパーティー次元の米国的大衆民主主義の潮流の現在的表現形態にあるものが、日本では全体主義の今日政治になる、この違いは大きい。
 
  官僚によるNPM(ニュー、パブリック、マネジメント)理解。  国土交通省~研究所
「(省略)
経営資源の使用に関する裁量を広げる代わりに、業績と評価による統制(政策評価)を行う。
市場メカニズムを可能な限り活用するため、
イ)民営化、ロ)エイジェンシー化、ハ)組織内部への契約型システムの導入、ニ)民間委託などを積極的に進める。
③顧客主義へ転換する。(住民サービスを顧客とみる)
④組織をフラット化する(ヒエラルキーの簡素化)などがあげられる。
 
   <このような行革はアングロサクソン諸国広まった>
ただし実際には、NPMにはこうした顧客第一主義や効率化、透明化、組織のフラット化(官僚制の打破とは別の側面がある。
 
>まず、それらの目的を達成するために、意思決定を迅速にするとともに、従来のピラミッド的な縦割り官僚システムに依存しない統制システムを作るために、しばしば<トップダウン>式の運営が要求される。
 
>次に、そのようなトップの要求に応じる役人を育てるために、PDCA(計画、実行、評価、改善)と業績主義(能力主義)、そして評価システムが必要とされる。
トップダウンの明確な意思決定の必要性に加え、業績評価システムとトップダウンの確立が必要である
W。トップの善政と適切な判断を前提したシステム行政内部、議会のチェックが機能しない全体主義を招くシステム。日本的無責任体制は改まっていない。
 
>上山論文でも主張されたようにNPM導入に当たっては、地方分権化の推進が不可欠になる。
W。「トップダウンの明確な意思決定」と行政内部のそれに付随する「業績評価システム」が中央官僚の介入を受けず、税金をできるだけ、自由裁量で使いたいと云うことに尽きる。
 
(3)ポスト官僚制?-新たな官僚モデルの登場。
 
        時間不足のため次回に続く。