反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

現代アメリカ経済分析~理念、歴史、政策~日本評論社2013年発行。第1章、「資本主義と遠ざかる建国の理念」を検討する。

 大阪市廃止分割住民投票問題に手間取って、本来、やるべきことができなかった。
布川事件冤罪者の桜井氏にはいつまでも若々しいエネルギー、本物の怒りがある、迫力がある。
識者たちの「言葉の危機感」は、どこまでみんなの心と暮らしに響き渡るか、空回りしていないか、と危惧している。しかし共同作業である。
その筋の専業者は危機感を持つことが仕事である。しかし、それに反応する庶民の多くは、暮らしと心の一時空を切り取って、関心に振り向けているにすぎない。このかい離は大きい。
このかい離の自覚のない専業者の危機意識には大衆的浸透と云う意味で大きな限界がある。コレは政治技術(選挙技術といっていい)では解決できない問題である。政治思想の在り方そのものの問題である。住民投票事態における大阪自民党、保守政界には余裕、知恵、底力からを感じた。
だが、同じことができると云えば、どうだろうか。
 
住民投票の棄権も頭によぎった
最大限綱領から云えば、橋下「いしん」の大阪破壊に任せると云う道筋もあった。
何しろこういう輩だから絶好の利用価値がある、とおもった。
 
「僕みたいな政治家が長くやる世の中は危険。ハンドルを握ってはいけない。ワンポイントリリーフ。権力なんて使い捨てでいいし、敵をつくる政治家が世の中にずっといるのは害だ。それが健全な民主主義というものです」
 
>ということは、橋下自身が、在任中何に狂敵を作り己を際立たせる政治に奔してきた、大阪都構想を本気で信じていなかった、単なる大衆操作の政治シンボルにすぎなかったと認めているようなものだ。在任中は大阪ぶち壊しが、もっぱらだったと自覚しているようなものだ
 
それでも橋下「いしん」に踊る熱狂は鎮めることはできないのである。都構想支持者にとって、社会科学的予見などどうでも良い、情念情動の領域の問題である。
>コレを改心させるためには啓蒙は絶対に必要である。しかし、核心には、別な要素が必要である
 
>自分には生み出せないが、現状をまとめてあからさまに提示し、行動の動機を与えるビジョンが今、求められている。
 
2015/05/19 5・19院内集会 盗聴法・刑訴法改悪法審議入りに反対する市民の集い(動画)
 
>「国民自身が、ある種わたしのような冤罪を体験しなければわからない。ある意味で、開きなおている部分があるんですよ。何しろプライバシーのない生活を19年もしていますから、ヤンならやってみろ、と思うんですよね
国民全部がプライバシーない生活をすればわかるんだって。ほんとに寝言まで監視されるんですからね。~面会も監視される手紙も監視される、こういう生活ってどういう痛みを伴うかってあまり国民の皆さんは知らなな過ぎるんですよ。~自分の俳句を得げて~全てをのぞかれているっていうあの暮らしの痛みっていう、ですからこの盗聴の自由なんて考えられないんですよね。(W。大昔から、監視対象に対して徹底的に実行してきたことを今度は、市民レベル一般に対象に広げることを合法化し、その中から反政府言動一般まで絞り込める。)
でもわたし29年間で慣れていますので皆さんと違って体制がありますんで、『ヤルならやってみろ』と。そのあとに日本がならなくてはならないんじゃないか チョット気があるんですよね。
ですから皆さん切迫した話をしますが、「やるならやってみろ」と云う気がするんですよ。盗聴もやれ、冤罪も作れ、日本人半分が冤罪になれば日本は変わるんだと思っていますがね。
 
でもかわいそうすぎますよね。だからやっぱり、わたしはこんな法案はおかしいんじゃないかとどこでもいって話したい。」
>W.キチンとした落とし所をわきまえている。
>では、アジテーションだったのか?そうではない!新しい別の世界を開示し、戦いの根源を指示したのだ。

「現代アメリカ経済分析」~理念、歴史、政策~中本悟、宮崎礼二(編)日本評論社2013年9月25日発行の各論集の中の第一部、アメリカ建国の理念と資本主義の発展、<第1章資本主義と遠ざかる建国の理念>を材料として、日本人識者によくある欧米史観の落とし穴について検討する予定を立てていた
既にヨーロッパ中世封建時代から近代にいたるまでの通史をできるだけ細かく参考資料として、コピーペーストしている。
>なお、今回は、参考資料に基づく、「日本人識者によくある欧米史観の落とし穴」について、時間の都合上、深く立ち入ることをしないで、論者の鋭い指摘を前倒しすることにした。
 
<第1章資本主義と遠ざかる建国の理念>字面を追う限り、成程そんなものか、と納得しがちだが、ヨーロッパ近代にいたるまでの歴史を圧縮して、取りまとめる場合、論者のような抽象化をしては、いけないのではないか。
 
 具体的な事実の積み重ね、相互関連の歴史を抽象化する必要が生まれるのは仕方がない。
その場合、必ず指摘しなければならないのは、中世ヨーロッパは後進地域であった、という歴史的事実である。(W。注1。この辺の記述は史実に沿った別な書き方が必要)古代ギリシア、それを継承すると称する古代ローマの文明社会から途切れた社会中世ヨーロッパの暗黒時代)がゲルマン人の侵入とそれによる支配、各地の領域国家建設、キリスト教の共同政治幻想と支配秩序によって、400年~500年間は続いた
 
 それがどのような歴史過程を通じてヨーロッパの3大革命宗教革命思想的革命~W。ルネッサンス無視)、市民革命政治革命産業革命経済革命に転回したのか、その具体的な道筋をふまえ、ヨーロッパの近代化に至る歴史を鷲頭掴みにしてこそ、ヨーロッパ近代至る歴史が抽象化できるのである。
>この論者の提起する、米国建国理念の前提である産業革命に至るヨーロッパ史単線的なヨーロッパ発展史観の落とし穴に陥れると云って過言でない。
 
>また、歴史の長期スパンにおけるダイナミズムがその期間確実に起こったことを無視するものである。
後進ヨーロッパ世界は、先進地域に転回した。先進イスラムは後進になった
戦前、列国最低位(軍需突出)から、戦後、ときと地の利、条件に最高に恵まれて異常な高度経済成長を通じて世界第二位の経済大国になった日本と世界の関係において、発生している現象を歴史の遠目で見ると日本国民経済の世界に対する後退という不可逆な歴史のトレンドの進行過程である。
>先般の大阪都構想なる半端ものをめぐる争い、は典型的な、日本国民経済の後退の象徴とみていた。
 
>で、単線的な産業革命=近代化に至るヨーロッパ史の発展史の急進主義的理念が、米国建国理念に具現化されたと、している。
 
その建国理念が、新大陸の更地で、封建社会も飛び越えたヨーロッパからの集住者による地政学的優位性をもって、資本の原始蓄積期などう回路をショートカットした資本の集中集積した米国巨大資本主義によって、裏切られていった。
 
>そして現段階ではその建国理念ゆえに米国巨大資本主義の矛盾が内外にわたって、促進されている
 
*この評論の道筋は大体上記のようなものになっている。

  注1 問題の記述。
「1、大航海と宗教革命が作り出したアメリカ。
米国は近代ヨーロッパの初期(1500年前後)の二大変化(W、大航海、宗教革命)が作り出した国である。~W。日本歴史では室町幕府衰退、応仁の乱、近世日本の骨格が鮮明になり、以降、150年間ぐらい内戦をしつつ経済?発展していた時期。その意味で以下のような記述は不適切極まりない。歴史記述から落ちこぼれた歴史的事実が多すぎる。~
>二大変化の一つは、ヨーロッパ人によるいわゆる(A)『大航海』だ。~
>W。問題の個所
*ヨーロッパ人が当時なぜ『大航海』にでたのか?(B)それは一方では、ヨーロッパに生まれ着た新興市民(商人)がユーラシア大陸をモンゴル人とその同盟者イスラム商人に制覇されてしまったため他の活動の場を求めたからであり、他方では、新興市民たちがカトリックや封建勢力の支配からのがれる逃げ場と考えたからだった。
(C)ほどなくそこに移住してきたヨーロッパ人は、先住民を撲滅し、その大地は白紙化され、その後いかようにもデザイン可能な大地となった。
 
(A)いわゆる『大航海』  いわゆるは正しい指摘だ。日本の歴史教科書では大航海時代などと書かれているが、欧米ではAge of Discovery / Age of Exploration(W。発見時代、探検時代)とされている。この用語を嫌った戦後日本の歴史学者が「大航海時代」などと云う、中途半端で、史実の実態を覆い隠す間違った歴史用語に入れ替えた。
>新大陸の発見によるアメリカ大陸、アフリカ大陸に渡る暴力による人的物的収奪と富の創造こそが産業革命を準備し、資本主義の原始蓄積の前提だったのである。
>また、この地理上の発見、新大陸発見は、今のグローバル資本制など足元にも及ばない過激なヒトの移動じだいであり、人類史に決定的な影響を与える出来事だった。
 
大航海時代」の名称は岩波書店にて「大航海時代叢書」を企画していた1963年、それまでの「地理上の発見W?」、「大発見時代」(Age of Discovery / Age of Exploration)~直訳、発見の時代、探検の時代~といったヨーロッパ人の立場からの見方による名称に対し、新しい視角を持ちたいとの希求から、増田義郎により命名された。」W。余計なことをするから歴史の真実が見えなくなる!
 
>「増田は、大航海時代の時間的範囲について、議論があると前置きした上で、具体的な始まりと終わりの年を提案している。増田によれば、大航海時代の始まりは、1415年におけるポルトガルセウタ攻略。終わりの年は、三十年戦争終結、ロシア人の探検家セミョン・デジニョフチュクチ半島デジニョフ岬に到達した1648年である。」W。大発見時代を1415年~1648年の期間とすれば、ヨーロッパ規模での宗教革命の時期を含むのだから、いわゆる『大航海時代』とするだけでは、この時代のヨーロッパ史に対する勘違いがうまれる。
 
それは注1B)とC)強い関連がある。
この時代の前史において、ヨーロッパ中世世界はイスラムの後進地域であり、15世紀16世紀の封建ヨーロッパになってもその関係の逆転は完成していなかったからこそユーラシア大陸をモンゴル人とその同盟者イスラム商人に制覇されてしまったため他の活動の場を求め」なければならなかったのである。
 
>さらに、C)南北アメリカ大陸の「移住してきたヨーロッパ人は、先住民を撲滅し、その大地は白紙化され、その後いかようにもデザイン可能な大地となった。」などという野獣のような野蛮性もヨーロッパ中世の野蛮文明を受け継いでいるからである。
 
>したがって、大航海と宗教改革が作り出したアメリ
の冒頭の説明には、中世ヨーロッパの暗黒を簡潔に言及しなければ、アメリカの建国の理念は、近代化に至るヨーロッパの単線的発展史の延長線上の、先駆者であり(アメリカ革命戦争~独立戦争~)ヨーロッパ3大革命の精華を引き継いだ、ものと記述される。コレは多分、日本独特の欧米史観である。
 
>論者の論調は、先住民を大量殺戮してデザイン自由な白紙の大地を生み出したしたとか、奴隷制を敷いてきた以外のヨーロッパ発アメリカ現地純化アメリカ建国の理念は批判を受けることのない所において、その崩壊を物語っている。
本編だけでなく、この書全体に、アメリカ民主党リベラル系の政治立場の擁護に行き着くしかない、論調を嗅ぎ取る。バブル崩壊欧州金融危機脱出後の欧米は金融帝国主義の様相を深めており、それとは異なったシステムの代表格である中露との市場を巡る相克が強まっていく傾向の中で、上記のようななんとなくリベラルの視座は、これからの事実の連続、事態の前に空転していく、と予測する。ヒラリークリントンが大統領になれば、今風のマーガレット、サッチャーになる、そうしなければ上下両院共和党多数の政治情勢では当選の見込みはない。
肉屋に野菜を求めていくようなも二になる。
 
以下、<第1章資本主義と遠ざかる建国の理念>を概略する。
 
>鋭い指摘もある。コレは建国理念の崩壊物語という方法ゆえに見事に描き出されたものである。
(概略の最初に、挙げておく)
 
しかし、300年以上も前の建国の理念(国家の原理、原則=理念)がリアルな歴史条件によって崩されていった、(裏切られていった)という、崩壊、カオスの歴史物語は突き放して考えてみると、はたして成立するものかという根本的疑問がわいてくる。
建国の理念などと云うものは、そもそも、欧米大陸間の歴史的条件のおいて形成されたあくまでも可変的な理念にすぎず、その意味で曖昧な歴史限定的国家共同幻想のその後の歴史における変節過程にすぎない
とすれば、建国理念の崩れ去っていく歴史過程は、日本の識者独特の思考パターンを表しているだけである
日本国憲法が変えられたらお手上げ、手の打ちどころがなくなるなどと云うのは、間違った危機論。
独裁国家になる、などというが、議会制民主主義の裏側は、独裁である、現実を何時もじっと見つめる必要がある。

 
    <第1章資本主義と遠ざかる建国の理念> W、まず鋭い指摘!から先に
    4、個人主義の大地(W、キーワードに巨大資本主義が開花した。
古代も中世封建もないところに、近代が忽然と出現した。
 ↓(ヨーロッパとの相違~ヨーロッパは民族単位の国民経済であった。→EU圏の誕生とその後の経緯の意味
 ↓
移植された技術はヨーロッパ以上に発展=産業革命から急速に独占段階に発展。
民族国民経済単位であるヨーロッパ資本主義との発展スピードとの違いは重工業段階になって明確になった。)
大陸国アメリカは、ヨーロッパ数カ国分の需要を満たす生産を可能にすべく、手っ取り早く巨大企業体を形成しようとトラスト方式で企業合同が進められた。」
スタンダード石油、USステール、フォード、ゲネラルモーターズ。
巨大独占産業資本)+(巨大金融集団)=ヨーロッパで見られない金融資本の急速発展。
モルガン、ロックフェラー。
「モルガンはヨーロッパで使えきれないロンドンの過剰資金を調達して、成長著しいアメリカに持ち込み、大陸横断鉄道に投資手して急速に成長した(W。鉄道延長はこの時代の資本主義の経済成長を測る大きな目安)
 
「こうして出現した米国資本主義は長い原始蓄積も経なければ、長い産業資本主義段階も経ることなく、一気に独占資本主義段階へと到達した資本主義、それも世界の中で突出するほど巨大な資本主義として立ち現われた。」
 
>「だがそのように資本主義が一気に出現したことは、アメリカ社会が建国の理念に想定していた<自立した市民からなる共和社会>とは異なるものになってきていることを意味した。」
>「その意味ではアメリカでは、W、<自立した市民からなる共和社会>よりも、諸個人や、法人化された諸企業の自立や自由の論理の方が常に優位に立つ。」←諸個人の個人主義や巨大な金融資本の自立自由の優先だから、グローバリズムの深化以降、1%に富が集中するようになった。
 
    5、巨大政府を形成して云ったアメリカ資本主義
1920年代の電気、自動車、化学などの新産業のトラスト形成は、19世紀末の素材産業(W、鉄鋼など)やエネルギー産業の独占形成以上に消費需要と密接なだけに
>ひとたび過剰生産に陥ると問題が表面化し易かった>→生産と消費のかい離顕在化、金融投機の破たん=大恐慌
 ↓
大きな政府 大きな財政(ニューディール
 ↓
WASPが占めていた支配的地位を白人全般に拡大しようとした。(WASPから白人全般に拡大されたのは、大きな政府大きな財政が継承された戦後パックスアメリカーナ期である)
 ↓
「戦後も恐慌再来への不安がぬぐえない中(W。冷戦の一方の旗頭の大きな政府大きな財政は不可避~冷戦終結後は?性政府の役割と財政の規模の拡張は続けられた。」
 
 
    W。以下の指摘は秀逸!
 
>「その結果、Ⅰ世代も経過しないうちに、アメリカで人口の3分の2を占める白人全体が中流化し、彼らが分厚い中流層を形成し、WASPに代わって社会の安定をさせることとなった。」
>『巨大なトラストと巨大金融資本が支配し強力な蓄積をするようになったアメリカ社会に、安定をもたらすことは
巨大な政府と巨額の財政があって初めて可能になったことである。」
 
>「もしアメリカが建国の理念通りの社会を指向していたら、あるいは資本の運動法則にのみ従っていたら、アメリカ史の新しい局面に対応できなかっただろう。」
 
>「大きな政府と財政は20世紀までのアメリカ市民の間では想定されていたことではなかった
また大きな政府は一定程度まで姿を現してきた20世紀半ばでも、不可逆なものとしては映っていなかった。」
 
>だが、「アメリカは、アメリカ自身を、いつしか理念に描かれたアメリカでない社会にしてきたのだ。」
>「大きな政府と大きな財政は、今日の時点からみると、アメリカ建国の理念から遊離していく第二の契機だったのだ。」←W。さすがここまで自己の描いた建国理念消失物語の論理の枠内で処理しようとすれば無理が生じている。元々そのような大層なものはなかった、とすれば、どうだろうか?
アメリカは分断の本拠地であると同時に徹底した経験主義(成り行き任せ修正の繰り返し)の国。400年も前の理念崩壊物語には無理があり、「美しい国アメリカ」は、建国時の<一時的現象>。今日においても、内なる事情として、理念国家アメリカを雑種、分裂含みのアメリカの統一国家に護持する側面から、突出させなければならない。
 
    6、グローバル化アメリカ建国の理念実現の土台を掘り崩してきた。
政府と財政の肥大化に耐えきれなくなる W変動相場制移行
企業の海外展開、多国籍化 
生産しない消費大国
 ↓
消費資金のねん出は金融活動依存
「1970年代以降、巨大金融機関ばかりでなく、人口の多数を占める駐留市民までもが、なけなしの資金でも、何らかの投資活動に手を染める傾向が強くなっていった。」
>「1980年代には全米が規制緩和と自由化のあらしの中にいっていった。
>「しかもその嵐は、ほどなく国境を越えて海外まで拡大し、やがてグローバル化と呼ばれる嵐となった。」
 ↓
世界最大の債務国(元来、米国はドルを基軸通貨にすることによって、あまり輸出しなくても容易に輸入ができる国~基軸通貨国特権~、貿易赤字の拡大が可能であった)
 
>「このグローバル化は、国際化と同義でない
>「アメリカ的基準に従った世界一体化を云う。」
 
>「その決定的契機は、ソ連崩壊(W。ゴルバチョフエリツィンは歴史上の大失政!現ロシアはその傷跡をほとんど修正できずに継承。とりあえずアメリカの一人勝ち)とインターネットアメリカ発の世界一体化の道具)解禁(W。マイクロソフトのウインドウズ発売は確かこのころ。そのまえはパソコンクラブ網)といういずれも1991年の出来事であった。」
 
>「グローバル化は、それらが契機となって一気に進行することとなった。」
 
    それを支えたイデオロギーは W。グローバリゼーションは極めてイデオロギッシュな領域でのモノ
規制緩和、自由化と競争原理、自己責任を説く新自由主義(W。市場原理主義!)~今日のアメリカ型保守主義の代表的思想~だった。
 
>「グローバル化アメリカ企業の海外転出と消費物資の大量輸入都を一層推し進め、アメリカ国内産業の空洞化は決定的となった。」
 
    7、資本主義発展がアメリカ建国の理念をかなたに追いやる
   W。もともと、アメリカは分断の本場(注)
>「今日懸念されていることは、アメリカの中に現れた亀裂である。
その亀裂は所得階層階層間、職業観、地域間、人種間など多方面に走っている。
特に人種間の亀裂は深刻だ。(2012年の大統領選挙では黒人の93%がオバマに投票したのに対して、白人は39%だけだった)
今世紀半ばに白人非白人の人口比率は逆転すると云う。

(注)アメリカは分断の本場
1、建国理念の中に分断拡大の根拠
建国理念 自立した自由な諸個人の存在 他方における、そういう諸個人が緩やかであれ相互に結びついていること。
諸個人(やがて法人化された諸企業)の自立と自由の原理が優先して展開し、その結果として社会が分断されていく」
    
 
   資本家と労働者の分断のアメリカ的原理
「ある個人が資本に自分の労働力を販売することは労働者自身の判断に基づくことであるから、その結果として、資本の支配に服することになり、経済的に不利な待遇を受けても労働者個人の自己責任の問題とみなされる。
そのような積み重ねががやがて社会全体の分断を引き起こすとしても、それは二義的なことと考えられてしまいがちだ
労働者に対する人道的配慮、ひいては社会全体の統合とか調和などの問題は、個人主義の考え方の前では後方に退けられる。
もし問題が生じてもプロテスタンティズムに内在する原理、すなわち協会による救済の仕組みで解決すればよいと云うことになる。(資本主義の欠陥をプロテスタンティズムで補完する)
>対等な関係で統合されるべきはずの市民相互の関係が、資本家と労働者の二つの階級に分断される。」
 
     この分断の原理は社会のい当たるところに存在する
職場、生活、生産と消費、都市と農村、~自分の側の利益を優先して考え相互に無関心になり、両者の分断が生じる。
 
>「なるほど、その結果、個人や個々の部門は突出して成長発展できる可能性を獲得するのだが、全体としての統合や調和が損なわれがちになる
「社会の分断は社会全体を見えなくしてしまい、問題は基本的にすべて個人や個別の問題にされてしまう
 
>分断は近代の大きな特徴であると同時に悪弊である。アメリカは分断の本場だったし、今もそうなのである
 
**このような理念と現実の拡大する違いからも、それを埋め合わせ、雑多移入民族国家(創造力の多くは移入依存)、米国(日本の主食米の国)は国外に敵を作り他国を巻き込み戦争国家を続けなけらばならないのである。
この事態は、戦後、ずっと続いてきたのではなく、冷戦崩壊後目立ってきた現象である。ここが米国の不思議な基本動向を理解する上でのキーポイントである。