とにかく、複合大災害である。
いまだに孤立している方が1万数千名おられるように被災地が500キロに及んで救援の手が回っていない。避難している方にも物資がいきわたっていない。ここ数日、関西でも低温状態で小雪がチラついていたりする。広い体育館に防寒体制なく横たわっていたら、体に毒である。栄養状態が悪い、不眠とくれば、典型的な体を壊す条件が整っている。今は何とか持っても必ず、体を壊す人が出てくる。
異常事態に身も心もズタズタにされ、やっと生き延びた方が避難所でまた惨い目にあっている。
天変地異の激烈な列島に暮らす日本人の真下にはポッカリト暗闇が広がっている。
今回の激甚災害。安易に再生なんてとてもじゃないが今の段階で云えない。守ることで精いっぱいだ。
そこに原発重大人災が余りにも重くのしかかっている。日本のあらゆるレベルの当事者ばかりでなく、世界中が眼を皿のようにして事態を眺めている。
管首相が撤退を14日、打診した東電側に受かって、「東電がどうなるかという問題ではなく、日本がどうなるかという問題だ」と迫ったのは完全に正しい。
東電関係者がこの言葉に対して「撤退は許さない」ということは「被曝して死ぬまでやれ」と云っている様なモノ、と報道されているが、本当ならとんでもない心根である。
東電側が直接の当事者としての初動の状況掌握、判断能力ににかけていたから、対応に遅れが生じたのではないか?
非常用給水機が動かない、判断された時から、現場作業は施設外からジャブジャブ水を流し込み、運を天に任すしかなかった。
現場では各作業指揮者には専門知識は必要だが、やっていることは単純肉体労働と後は体力、注意力、恐怖心に打ち勝つ勇気だけだったんじゃないか。
東電側がその現場状況を早期に判断し、官邸や官僚側に早い段階で報告していたら、自衛隊などの体力勝負の部隊出動はもっと早まったのではなかったか。14日じゃ遅すぎた。しかも撤退を申し出るとは。
官邸や保安院などの官僚側は現場の実務に疎い。これは実際のところで、全体として激甚災害に遭遇した被災原発への即応体制は確立していなかった。だから、管首相自ら東電に乗り込んでイライラを爆発させたのだろう。
想定外の事態?
それだけの問題ではないような気がする。
原発推進、ましてや、成長戦略とやらで官民総ぐるみで成長市場にインフラとして原発売り込みをかけている段階なら、政治主導のある国策としての責任体制があってしかるべきだった。民間の商売に任せっぱなしだったのではないか。これも小泉民営化路線の以降の中途半端な官僚と民間とのどっちつかずの持たれ合いの無責任体制の弊害と云えよう。
東電は株式も上場している特殊完全独占企業である。長年そういう体制でやってきた会社としての特殊体質がある。
>>こうして単純、現場作業のやっと出番になり、自衛隊主体になるが、キチンと見据えておかなければならないことがある。今度は被災現場のことだが。
自衛隊員のかなりの部分は架空の戦闘状態を想定しての訓練は受けていても、実際に戦乱時の様な状態に遭遇し作業するのは初めてだと思う。
テレビで被災状況をじっくりと眺めるのは苦手だが、それでも我慢して細切れに見ると。
被災地のがれきの中をいく数名単位の自衛隊員の姿を見ると、彼らにこういう戦争状態の様な事態に不慣れなのが手に取るように分かる。動きが非常に鈍い。あっけにとられたまま指揮者に率いられて何とか作業をこなしている状態だろう。
かなり以前になるが自衛隊の駐屯地に所要があっていくと、ちょうど昼飯時だったので隊員でごった返す食堂でともに昼食をとった。この機会だ、じっくり彼らを観察してやろう、と眺めまわした。
アッケニにとられた。
彼ら全体から受ける印象は栄養がいきわたって、適度な運動量の血色のいい街場のそこらのあんちゃん風。
とてもじゃないが厳しい戦闘に耐えられるような兵士の雰囲気は全くしなかった。
体は私より若く分だけがっちりとしていたが、目つき眼光は自分の方が鋭いんじゃないかと思った。
あの経験が、自衛隊に対するする見方のヒントになっている。
彼らは寄せ集めの若者集団であり、正確な意味での兵士とは言い難い。戦闘訓練は受けていても、実践の厳しい状況でどれだけ使いモノになるのか疑問である。烏合の衆なんじゃないかと云う疑問がぬぐい去れない。
指揮官側にも戦闘の実践的積み重ねが完全に不足している。実戦の中で戦わなければ軍隊に戦う気風が根付かない。軍人精神はやはりいる。
以前の記事でイラク派兵のヒゲ佐藤隊長のを批判したことがあった。
ゲリラ戦が想定される地域へ派兵される左官クラスの軍人が立派な口髭を生やしているなんて、世界の戦う軍隊ではありえない。攻撃の目印になる。万が一捕虜になった場合、本人特定される。
かなり軍人として勘違いの激しい人物であるが、こんな人が今回の事態に自衛隊を代表するかの如くエラそうなことをのたまっている。
反軍言動を体内で行ったタモガミといい、本質に照らしてオカシナものが逆に英雄になっている、一体どうなっているのか、と云いたい。
ただし、もっと、この際、考えた直した方がいいのじゃないか。
さらに、現状、一体、何万の自衛隊員が災害現場に動員されているのか?
25万人も自衛隊員はいるがそのうち、実際に戦闘に従事できる部分が被災地に動員されていると考える。
その数、10万に満たないから、人手不足で補充兵の動員が検討されている。
では後の15万人が一体どこで何をしているのか?
要するに実際の戦闘部隊以外の自衛隊要員が余りにも多すぎるのだ。ここがだぶついている。
私たちは25万人に国防を任せているはずが、実際にその任にあるのは半分ほどで後は付属部隊である。
軍隊とはそういうモノだといえばそれまでだが、再考さrてよい。
プライドを支える物的保障がいる。アメリカ軍も徴兵に際して今は物的保障を手厚くしている。
こんな危険作業をしている方に精神論だけで応援するのは間違っている。
また、これは戦争ではない。命を粗末にさせない配慮がいる。