反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

韓国、北朝鮮軍の衝突は今現在の各々に深い訳があるからなんじゃないか。

 過去に同じ民族同士が各々、強大な軍事力を誇る他民族に加勢され壮絶な殺し合いをした。朝鮮戦争にこういう見方もできる。その前はアメリカによる日本帝国主義敗北まで30数年に渡って、植民地支配を受けていた。
うがった見方や歴史の斜め読みを承知でいえば、この民族はだいたい100年近くに渡って、他民族による圧迫と分断攻撃に翻弄され、自らが自立思考、真の意味での民族独立獲得することはなかった。
 これが乾いた見方からする事実ではないだろうか。
 事大主義という古い言葉もある。それに反発できるモノがはたしてあるのかどうか?
 
同族同士が今現在も激しく争っている様子を外部から見ると疑問に思う。外からの影響力を強く受ける民族は互いに争い易い傾向にある。
 
 この争う同族同士の一方である北朝鮮の今現在のリアルな現実は報道されていないから、既成の報道を繋ぎ合わせた、在り来たりの感想しか持っていない。
 
 一言で言って、硬直した独裁体制の大失政や犯罪行為で国民を煉獄に繋ぎとめている。国民と独裁体制の間には敵対関係が潜在的に成立しているので、これまでと大きく違う政治路線を指導部が選択すれば、指導者層への政治責任追及の声が沸き起こり、身の危険さえ出てくるのではないか。
 
 38度線の休戦ラインの向う側の「経済発展」にメンツ第一で対応している。
 我々からすれば、韓国の経済発展のスタートラインは1965年の日韓条約による戦後賠償5億ドルでやアメリカの軍事力、経済力によって整備されたモノと考えるが、北朝鮮当局は自分の目の前の韓国経済の発展に大きな歴史的視野で見つめる目がなく、政策的柔軟性なく、硬直した目先のイデオロギー的対応に落ち込んでしまった。内戦で成立した政権によくあるパターンで平時の政権運営に戦争の論理を適用している。
 
 私には、北朝鮮の軍関係者が近隣諸国の一般市民を拉致して来たのか今だ、合理的な説明がつかない。
特別な技能才能を持たない人間を暴力的に連れてきても、却って負担になるばかりではないか。
スパイに仕立て揚げるとしても、合法的に適応者はいくらでも確保できるはずだ。
 
 軍関係機関の暴走が日常化し、政治指導者の統制や見識の余りの貧困をそこにみる。こういう指導者を持った国民は大不幸である。
 
 他方、韓国である。
現状、全国民規模で勘違いがあるのではないか。これは日本人にも言えることであるが、経済発展は自力で行われたものでなく、国際環境などに恵まれたモノである。
 
 よ~く足元を点検すれば、経済発展を本物すべき要件が大きく欠けている、現実に気付くはずだ。
 
 アメリカの軍隊に自国の防衛の主導権を事実上、握られている。
 
 次に、軍事的隷属ばかりでなく、政治的隷属が著しい。
 自国民の利益よりもアメリカの利益に真っ先に反応する輩が支配層の中に完全にビルトインされてしまって、世界情勢が複雑化し、混乱を極めれな極めるほど、彼らのタクトによるアメリカ利益への反国民的隷属が強化される。
 
 これは絶対矛盾に近い政治構造である。
実際のところ、一政府の政策の力でどうなるものでない。選挙による多数派形成を突き抜けた国民決起による「革命」の領域の問題である。
 
 以上がだいたいのアウトラインである。
現在の日本の官僚の未来方針を読むと、韓国の現状を強く意識し、日本経済沈滞突破のモデルケースにさえしている。
 
 しかし、そんな好調韓国がどうして、敢えて北朝鮮と事を構える必然性があるのか?そこが知りたい。
 
 経済好調、繁栄が国民規模なら、北朝鮮との戦乱状態の演出は不必要と考えるのが常識だ。
国の内部に問題が少なければ、支配層は敢えて、対外的な紛争を醸成する様な行動は慎むはずなのにそうなっていない。
 
 今回の砲撃戦もそもそも、韓国軍が国境紛争対象海域で北側の中止勧告を無視して挑発的な軍事演習を強行したことに端を発している。
 面子、体面を最重視して失敗してきた北の弱点を承知の上で、北からの反撃不可避を織り込み積みで、韓国軍当局が行動したとしか思えない。
 
 こういう思考方向でどうしてなのか?と問う事が大切である。
 
まず第一。
 グーグルによれば、韓国軍の作戦統制権は平時は韓国側にあると称されているが、戦時には米軍との合同作戦本部の統制権に移行される。しかしこれは公式発表であり、こういうリアルな軍事領域の実態は流動的で闇の中だ。
 
 朝鮮戦争で韓国という国家が存続できたのは事実上アメリカの軍事力のおかげである。アメリカがいなければ韓国軍は完全にせん滅されていた。以後38度線で戦争は休戦に至った後の経過を見ると、韓国軍に肝心なところでも独自作戦、統制権が奪還された様子がない。
 
 >>>だとすれば、今回の北の反撃が想定される紛争海域での軍事演習の強行はアメリカ軍当局の容認、もっといえば、アメリカ軍の作戦意図を受けてのものであろう。
 
 >>ちゅうど、それ以前に北のウラン濃縮機2000機の存在が訪問したアメリカ関係者に公開されている。わざわざ招待され、見学させてもらったとは摩訶不思議ではないだろうか。
 
 で、韓国軍の演習。北の反撃砲撃、韓国世論の沸騰である。
 日本もちょうど、海兵隊沖縄基地移設をめぐって激しい選挙戦の終盤を迎えている。民主党政権も失言、放言を受けて補正予算の国会通過に難儀しており、その延長線上に来年度予算国会承認のまま場を迎え、なお一層の管内閣の弱体化が想定される。
 
 >>>韓国哨戒艇撃沈事件の時となぜかパターンが似ており、とてもじゃないが偶然とは思えない。
 
>>先軍政治は何も北朝鮮だけの十八番じゃないのである。
 東アジアにおいて軍事情勢が新しい政治局面を生み出す牽引車の役割を果たす時代に突入している!この基本認識が必要だ。浮足立ってはならない。
 
 次に韓国内の経済社会問題に言及しなければならない。
 結論的にいえば、景気がいいのは輸出に特化した一部独占企業だけで、大半の国民はインフレによる物価高と失業、低賃金で生活苦にある。
スタグフレーションなのだ。庶民にとって物価上昇と失業、景気後退で一番生活に困る状態だ。
 
 経産省の様な韓国経済をお手本とする見解、後発国韓国の追い上げから来る焦りを起点とする政策提言は日本を韓国の様な国に仕立て上げる道だ。それが中長期的展望がどういう事なのか!官僚どもの「哲学の貧困」、「度し難い経済主義」は明らかだ。
 
 話題がそれているが、韓国が今だ加工貿易の体質を残しているのは後発資本制国として当たり前だが、経済効率第一から見たら克服はできない。頂点の企業から関連下方企業群への生産連鎖は企業活動の長年に渡る蓄積の中からしか育まれない。
 ただ、日本の官僚の方向だとこの伝統を破壊し、ここでの海外資本流流出が避けられない。低賃金の中小資本の海外展開と日本の排外主義的な政治方向とは相いれない。
 
 アメリカはそこまで考えて東アジアで紛争を意図的に演出していく。
 
 次に国内格差の問題。
日本より深刻である。少子高齢化傾向も全く同じ。国民年金制度はやっと1988年に整備された。
労働人口の50%超えが非正規労働であり、それなのに教育熱は高く、学歴社会でもある。
 
 アメリカとの自由貿易協定締結によりコメ以外の農業品目の完全自由化が決定されている。
国民の食を外国に委ね、独占資本の海外進出のお零れによって全国民が生計を立てていくしかない。
まさにギャンブル的世界市場の変転に国民生活の明日を託し、根なし草の様な国民に仕立て上げる。
 
当然、サムスンなどの独占資本の牛耳る社会が多くの国民の目の前に日常的にある。独占資本は国民多数にその分け前を与えるわけがなく、政権を使って、様々な策動を繰り返し、国民の眼を排外的に外にそらしていく。
 
 経済の現状はスタグフレーション下にある。
日本の様なデフレ状況の長期化とは違った経済構造だ。
 
 要する規模の小さい経済で、一部の独占体への資本集中が極端にあり、ドルリンクのウォン安で輸入原材料費の高騰が簡単に価格転嫁され、物価上昇が激しい。資本は国内よりもっと低賃金を求めて海外流出しており、巷での失業率は12%を超えている。企業民間の貯蓄では足りず、政府は外債を発行して資金調達をしている。
政府はインフレを抑え込むため、金利を挙げるしかない。資金の循環がうまくいかなくなり、弱い資本が倒産し、失業率が低下しない。
 
よって、独占資本だけぼろ儲けで景気が良く、後は押し並べて不景気である。
 
 これって。一般庶民にとって一番、骨身にまで沁みる生活苦である。
 
経済産業省などが喧伝する好調韓国経済の実態とは一部の独占資本の海外市場における競争力の事にすぎず、国民生活向上に反映されていない。独占化が進めばそういう事態になるのは当然である。儲けはため込まれたり、新たな投資に向かうが、その投資先は海外である。
 
 特別研究したわけではないから断定できないが、北を軍事挑発する韓国政府は国内矛盾に対する国民意識の外部への転嫁を図っているとしか言いようがない。
 さらにはアメリカ政府当局の都合に踊る、政治体質が顕在化している。
 
日本も近いうちに韓国の様になる内外環境にある。この事実を自覚いていない人が余りにも多すぎる。