それにしても、2009年から2010年のたった一年の間に東アジア、アメリカを含めて重大政治、軍事事件が多発しすぎている事に注目する。列記する
>2009年1月 オバマ大統領就任
2009年11月 オバマ来日 一日滞在で中国へ
>2010年3月26日 韓国哨戒艇撃沈事件発生 北と南の主張正反対
>2010年9月7日 尖閣海域中国船事件で船長逮捕 9、25釈放
2010年10月 小沢強制起訴発表
>2010年9月12日 北朝鮮訪問の元ロシアラモス研所長 ウラン濃縮施設見学
>2010年9月24日 砲撃事件発生
2)尖閣中国船長逮捕ー釈放は再構成し、考え直す必要がある。
ハ)船長逮捕まで至ったのは異例の処置だが、中国側の強硬態度はあらかじめ予測できた。
落とし所は釈放でしかない事も予め解らないほど政治音痴ではないはず。中国側の圧力の中で船長を日本の司法ルートに乗せ続ける事は不可能。妥協しなければならない事は予測の範囲。
で、あれば、前原や管内閣が実質的にアメリカの中国への噛ませ犬としての役割を果たした事は明確。
この役割を最初から解っていてやったのかどうか。
ここが問題になる。
結局、アメリカ側の対応は中国との関係を考慮いて、表に出ず、裏で日本側に船長釈放を求めるものであった。
物凄く現実的な対応であり、その結果何が生じたかといえば、船長を逮捕し、釈放した管政権の無様な姿だけが国民多数に印象付けられ、さらにはこれを弱腰と見る反中国民感情が醸成された。
一番貧乏くじをひたのは管政権だったが、このくじは冷静であれば、結果が見通せたくじだ。
大きな東アジアをめぐる力関係が読めてなかった。自分たち政権のぜい弱性への自覚もなかった。
時間不足で結論を急ぎたい。
今回の砲撃戦。
それまで韓国政権は国民の支持を得ていなかった。
イミュンバク大統領は支持率回復のため二十五億円もの私財を寄付すようなパフォーマンスまで演じている。
韓国内で格差の拡大は著しい。景気のいいのは財閥だけだ。インフレ12%失業、のスタグフレーション下にある。大多数の国民の生活は苦しい。
日本の管政権も国民の支持を失っている。
いずれの背景にも先進国を襲う世界同時不況があり、経済財政的余裕のなさから政権運営に生きずまりがある。
<結論的にいえば>
一連の大きな政治軍事事件連続の根底には世界同時不況下で各々の政権の政権運営に行き詰りがあり、軍、官僚層、財界など既成の支配集団の果たす役割が拡大している。これらは冷戦体制崩壊後のグローバル資本制を支持し、旨みを煤てきた層である。
一連の事件の背後でこれらの支配層が陰謀的に関与しているとまでは言えないが、政情不安の中で暴走気味で事態をリードしている事は間違いない。事件を利用したり、事件によって既成事実を作って大きな政局を作って自分たちの都合のよい次の政治権力を目指している。
これから発生していく一つ一つの事件、政局の積み重ねから、事態は次の方向に進んでいくが、次に来るのは今までと違った新しい段階になるだろう。
結局、危機に立つ帝国主義の民主的改良はあり得ないという結論に行きつく。
民主党政権の出現は結果的に新段階への強力なステップボードにさえ今のところなっている。
もう後戻りできない。
行き着くところまで行くしかない。敵はこれでもかこれでもかと、どんどん仕掛けてくるのではないか。
まだまだ、続編が続く。
今回の砲撃戦を受けての日韓両国の国会議決の結果、当事者の韓国国会議員の中で反対者が数名でたが、日本では全会一致になった。
これが日本の民主主義の実情である。
今の日本の国会には第二次大戦前の第二インターナショナル程度の戦争反対派も存在していないのである。
日本の過去、現在、未来の社会状況がある意味露わになった瞬間でもある。