反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

財閥だけ多儲け、法人税日本の3分の1、庶民不景気生活苦、失業率12、8%の韓国経済を理想とする経産省

 朝鮮半島の北南間で軍事情勢が緊迫している。が、そのバックに控えるアメリカと中国の戦略、意向がこれらの国の動向を大きく規定するのは世界中の人々の常識となっている。つまり、激しく睨みあっている本人たちの意図、思惑を超えて、アメリカ、中国という超大国のパワーゲームの駒にすぎないという事は明らかである。
 軍事的緊張を高め合っている韓国朝鮮民族は民族としての誇りを持って頭を冷やすべきである。でないと嗤われる。ただし、日本が嘲笑う事は出来ない立場だが。
 
 特に韓国は戦争的観点からすると、北と本格的な戦争になった場合、とてもじゃないが単独では太刀打ちできない国情にある。朝鮮戦争の休戦、日韓条約締結の1960年代半ばからの国造りにおいて、ベトナム出兵はあったが、アメリカ軍を盾にして、日本の戦後経済発展の様に、半無政府的経済第一主義の国づくりを推し進めてきた。
 
 先のブログで指摘したように全人口5000万の半数2500万が38度線休戦ラインの僅か60キロ南のソウル地区で生活している。第二の人口密集地、プサンの人口は300万にも満たない。
 朝鮮戦争時、ソウルは北の戦車に蹂躙された過去がある。今は38度線に巨大な戦車止めを設けており、アメリカ軍の主力部隊は休戦ラインの南側に配置されているが、本格戦争になれば、当然ミサイルが飛び交う訳でソウルが火の海になることは明らか。また当然、核兵器の使用も想定されなければならない。
 
 要するに政治=軍事方面の警戒は形骸化し、実質的にはアメリカ軍の軍事力に依存して無政府的な経済第一主義で突っ走ってきた国であり、口先とは裏腹にとてもじゃないが、朝鮮半島の緊張が本格戦争に発火する事態に耐えられない。
 
 しかし、この程度はテレビ新聞に全く接しない私でさえ常識としていたが、今回の砲撃戦、さらには今年春の哨戒艦撃沈事件など余りにのきな臭い事件の連発に、韓国の非戦体制を知っているモノとして解せない!これが第一の印象だった。
 アメリカは東アジアで偽冷戦体制構築を画策する事で戦略上のプレゼンスが上昇し自己益に繋がるが、追随し馬鹿をやる側にもそれなりの内情はある、とみた。
問題が大ありなのは、マスコミがいう様な北ばかりでないのである。こういう真っ当な思考が今の日本では非常識になっているが。
 
 日本国内の巷で喧伝されているのは韓国経済の好調、追い上げられる日本企業、さらにはインチョン空港に代表される経済インフラ面での日本の劣勢などの日本マスコミ報道である。
 
 ところが韓国は外面と内面が余りにも違いすぎる。日本マスコミ報道や官僚、財界の韓国経済観は自分たちの最適環境を韓国に見出しているにすぎない偏向報道である。
 
 韓国経済好調の情報は外面的数字や一部財閥企業の国際競争力強化の実態にすぎず、韓国の内情は非常に厳しいモノがあると解った。
 >>象徴的にいえばサムスン栄えて国民生活苦!という事態。
 
 今年の春の韓国哨戒艦撃沈事件直後の統一地本選挙でイミュンバク政権は国民に恐怖心を煽ろうとしたが、選挙選で敗北し、ショックを受けた。敗北の原因は一部財閥企業の国民に雇用や賃金で還元する事のないぼろ儲けへの生活苦の多数の国民側の厭差である。
 
>>>一部大企業栄えて国民が滅んでいる典型が韓国にある。フローバル資本に偏った政策を実行すると必ず、そうなるのだ。
 
 これもすでに書き込んでいる事実だが、支持低下のイミュンバク大統領は私財25億円を寄付する茶番さえ演じている。
 
  ところが、先に取り上げた経産省の競争力部会の報告は韓国の産業体制をモデルケースにさえしている。
主要産業部門での独占化の韓国に比べての立ち遅れを指摘している。国内の企業統合を進めて、世界市場での競争力を高めようという通産省時代からの統制経済的方針がミエミエだが、各産業部門で独占化が進めば、大きな弊害が国民に襲いかかってくる。経産省は余計な事をするな!
 
 サムスンの営業利益率右肩上がりで10%。ところが下請け企業の右肩下がりマイナス、0、37%。
法人税は日本の3分の1しか払っていない。
国際競争下にあるグローバル資本の最大限の利潤追求に最適の場が与えられた結果である。
 
 それでも国民全体に雇用と仕事が回っていければ、救われようが、失業率12%強。
当然であろう。グローバル資本に国境や国旗はない。ぼろ儲けの最適環境を求めて資本は海外流失する。
恩恵を被るのは労働人口の一部を占める高賃金労働貴族層だけだ。
 
金大中ノムヒョンの進歩派大統領10年の経済面での不調を受けたイミュンバクの大統領選圧勝は経済大統領という触れ込みでもたらされ、其れを受けて、財閥大企業サイドの政策を次々に打ち出した結果がこれである。
 
 この春、哨戒艦撃沈にもかかわらず、大統領就任後の実質的な中間選挙となる統一地方選敗北にショックを受けた大統領側は、今度は一転、サムスンなどの一部企業のぼろ儲け非難をする始末である。
 
 以上の様な韓国内の事情、そして何より経済的地位後退のアメリカの東アジア偽冷戦体制構築による政治軍事プレゼンスの上昇=アジア市場での突出する軍事力を使った優位性確保の、強力な動機が合致して朝鮮半島の緊張が高まっているのである。
 もちろん、そこに北朝鮮の旧来からの軍事冒険主義による存在確保戦略が対応する。
どちらがいいとか悪いとかの価値判断の領域はこの際関係なく事態を見るべきである。
 
 が、そのためには大袈裟にいえば歴史哲学の観点が必要だが、日本の官僚などを見ても、この観点の決定的不足を感じる。
 
 後発する資本主義国にはそれなりの上昇志向があればある程、無理が歴史的経過の中で社会経済に蓄積されている。そこを無視する様な形の大企業の大儲けで国を成りたたそうとすれば、韓国の様な国内矛盾が出てくる。
 
 原始的にいえば、商売は一番最初に始めたモノに大きな利益がもたらされる。
しかし、競争相手は次々に出てきて個々の儲けは少なくなり、最後の方の参入者は多儲けしようとすれば、かなり無理をしなければならない。
 
 韓国のやっているのはこれである。もちろん小さな規模の貿易立国の経済に経済発展の恩恵が循環するのは早い、という古くからの経済法則もある。
 
 日本の場合、韓国よりズット先に世界市場に参入した。しかし、その時、すでに市場にいた欧米との競争になって日本は無理をして負けた。
 
韓国と日本でいえば、先発した日本は追い上げられているからといって決して日本の社会、経済構造を韓国の様にしてはならない!これが最低限の認識である。
 
 ところが血迷っているのか、ワザと国民向けに宣伝扇動しているのか知らないが、日本の支配層に韓国経済をほめそやす輩が出てきている。
 
 私の深読みするところでは、もう奴らは自分たちだけが儲かる環境を生み出せたら、国民の多くがどうなろうと知った事ではないと決めつけている、としか思われない。
 典型的なユダヤ経済思想である。アングロサクソン系の移民国家も同根の思想が背景にある。
 
何度も指摘している様に現在の外務省はアメリカの立場に立った省庁である。
経産省は韓国をモデルケースとする様な独占資本、資本流出万歳の省庁である。
防衛省は国民に明かされていないが、現実的な指揮末端レベルまでアメリカ軍の東アジア戦略に完全従属する体制にある。 韓国軍の指揮権は戦時体制になればアメリカ軍にあるが、自衛隊も実質的にそれに近いシミュレーションの中で動くようになっている。
 タモガミなんかは其れを知っていて反中言動を優先している。アメリカに対する態度はハッキリしていない。
 
要するにこれまで日常的に日本の政治行政を取り仕切ってきた実権派=官僚組織が国民の側を向かずに、他所の国の方を向いているのだ。
それでもやれてこれたという時期は歴史的に見れば特殊な環境に恵まれたモノであって、これからは、自己判断が迫られる。できなければ、国民が不利益を被るだけで奴らの腹は痛まない。