反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

TPPと東アジア情勢の源流、朝鮮戦争。戦前戦後のドイツと日本の憲法比較。米国による三大謀略。その他。

1950年の勃発の朝鮮戦争
 
 この戦争による双方の被害状況は次の通り。
北朝鮮、250万。アメリカ空軍の爆撃による死者多数。
韓国、135万。
合計400万。太平洋戦争における日本側死者300万人より多い。
南北への離散家族1000万。
中国軍100万。
アメリカ軍6万3千。
 
 使用された爆薬は太平洋戦争時を遥かに上回る。
マッカーサー国連軍司令官は原爆投下をトルーマン大統領に願い出たが、ソ連の1949年核実験成功、東西両陣営の世界戦争化、ヨーロッパ情勢、世界中の反戦闘争の高揚などを考慮して却下された。
 
 マッカーサーの有名な議会での演説「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」は情勢判断できない無能を露呈した失脚の証。事実上の解任。後にヨーロッパ戦線司令官のアイゼンハワーは大統領になる。
 アメリカ日本占領統治の成功がマッカーサーの判断力を狂わせていたと、いえないか?
 
 >>ここでGHQの占領統治を成功させた天皇制=官僚制度、日本国憲法アメリカ流民主主義=反共主義について総括しておく必要がある。
 
 A)戦前の帝国憲法ドイツ帝国憲法を参考にしている。
ドイツでも帝国憲法下、皇帝と官僚体制の政治がおこなわれた。ユンカー貴族出身のビスマルクの時代がその頂点である。
 
 >ビスマルクを失脚させてた皇帝ウィルヘルムⅡ世が直接政治に関与する時代から、ドイツは第一次世界大戦の敗北へと直進する。ドイツ帝国憲法は皇帝の政治関与を許す構造があった。
 日本帝国憲法にも同じような問題点があったが、ドイツと違う処は皇帝の政治直接関与ではなく、軍事官僚が日本帝国憲法に内在する皇帝大権を利用し、政治的軍事的勢力を内外でなし崩し的に拡張した事だ。
 
 同じような政治思考の憲法をもつドイツは世界に挑戦し、第一次大戦敗北後のドイツ革命(市民革命)によって帝国憲法を破棄している。日本は第1次大戦の勝者になったが、帝国憲法第二次世界大戦敗北まで改変できなかった。
 1周回遅れている。
 
 帝国主義国においては戦争に負けることは、必ずしも悪い事でなく、旧勢力が打倒され、国民が国家の主人公になるチャンスでもある。
 
 B)ドイツ憲法下の皇帝と官僚支配の政治(ユンカー貴族プラス伝統的保守支配層)に対する反対勢力は新興資本家層と社会民主党であり、共に議会の主導性を高めることによって、旧支配体制を打破しようとしていた。
ただし、両者とも古い国家の破壊による新しい国家制度の確立を展望せず、ドイツ伝統の国家官僚体制プラス民主主義を指向した。
 
 ドイツ帝国憲法第一次世界大戦敗北によるドイツ革命(市民革命と云ってよい)によって皇帝オランダ亡命と共に潰えて、ワイマール憲法になった。
 
 ワイマール憲法はドイツ、ブルジョアジーの意向、ドイツの社会民主主義の戦いの歴史を総合した民主共和制の憲法である。
 ワイマール憲法下のナチスの台頭の原因はドイツ人主体からみると、伝統的なドイツ政治思想における官僚主義国家主義軍国主義ビスマルクの様なカリスマ指導者による困難政局突破願望などにある。
 
 ファシズムは危機の時代における民主主義闘争の進展の対局に支配者に育成された反革命が密集する、リアルな政治力学の中から出現する。
 
 C)2度も世界に挑戦し負けたドイツ人はワイマール民主共和憲法からナチス第3帝国憲法への政治過程を内外情勢の所為にすることはできなかった。第二次大戦敗戦によって民族国家分裂の事実を前に敗戦を「ゼロの日」と命名した西ドイツ人は新しい憲法の中に、主体的反省を込めた。
 
 西ドイツ憲法は地方議会での討議を積み重ね、戦前のワイマール憲法の社会勢力間の調整による国民としての統合思考、ナチズムと共産主義への戦いを明記したモノである。
 
 D)以上からも理解できるように敗戦日本には、内なる戦いの結果勝ち取られた国民史として刻みこまれた、自らを振り返って現在の己をただす事が出来る、憲法を持たなかった。
 
 そこにあるのは近代国家成立当時の明治憲法を引き継ぐ帝国憲法である。市民革命の結果としての国民憲法はなく、皇帝とその臣民の非民主主義憲法である。
 
 だからこそ、アメリカ流の民主主義が占領軍の軍事支配力と共に頭上に被さってくると、内在する政治思想として相対化できる現代的民族としての根拠はなかった。
 
 敗戦後の日本人はアメリカ人に軍事的敗北したばかりでなく、政治思想的にも敗北した、と敢えて云わねばならない。
 
 多くの人が思考的に虚脱状態だったと云う。思想的に敗戦を直ちに再生に転化する政治思想的根拠は多くの<日本人個々>の中になかった。明治以後の天皇制帝国の外的膨張過程に<個々人>の政治自我意識が塗り込め、埋没していたが故に、国家の敗北によって政治的自我は喪失したのだ。
 
 そういう、政治的自己空白にアメリカ流民主主義が物的力を伴って刷り込まれた。
 
かくして、敗戦後の日本人は二重の意味で敗北した。軍事的思想的敗北だった。
 
 この事と現状の意識の上でのアメリカ従属は繋がっている。
それは単なるアメリカン、カルチャーにイカレテいる、と云う次元でなく、もっと深いところの心理なのだろう。
 
 
 敗戦後の日本支配層は与えられた戦後憲法を粛々と受け止めつつも、中身を都合よく改変し、今や換骨奪胎している。
 
 E)こういう、いい加減な、なし崩し的政治手法、政治的周回遅れでも通用し、「国富?」をもたらした時期が戦後長く続いた。間違いなく冷戦体制の、最高の受益者は日本と日本国民である。今の主要国の国民はもっと、苦難に遭遇してきた。
 
 >>>次にある資料を<朝鮮戦争と日本>として読み解き、考えてみる。
 
その1。日本の再軍備=1950年警察予備隊7万5千創設。
 この警察予備隊は1952年保安隊に再編強化され、朝鮮戦争終結している1954年には自衛隊している。
朝鮮戦争が休戦してから、自衛隊を自称する様になった。
 自衛隊の名称を日本で先に使用したのは朝鮮戦争下の非合法時代の日本共産党である。
中核自衛隊という都市部のゲリラ部隊の組織名称だった。
 
また、そもそも自衛隊と云う名称に不思議がある。
 海外に派兵された時は<ジャパン、セルフガード、フォース>を自称している。
しかし、直訳すれば、日本自衛軍となって決して「隊」のような生易しいモノではない。
だったらこれと国防軍と意味がどう違うのか?
隊ならば許せて、軍はダメと云うのか。それにしては、アメリカ配下の軍事力は強大だ。
  
 その2。日本共産党の反米路線。
 この項目の問題点は
 A)レッドパージ共産党員の公職追放。1万2千人。
マスコミ50社704人とある。
 GHQのマスコミ報道統制=マスコミへのムチとアメの民主化?は言論統制、抵抗幹部公職追放と各種特権付与、労働組合育成であった。
 
 共産活動家の基幹部分の一つにマスコミ労働組合があった。その基幹部分が追放された。
 >>ここがマスコミ戦後言論活動の曲がり角とみる。
 
 >>冷戦思考、アメリカ産民主主義に沿う仕分け作業の粛清ともいえる。
仕分け作業で生き残った者たちはアメリカ流民主主義に汚染されたモノたち、戦前思考のモノたちだった。
 これらの人的要素と付与された特権が今のマスコミのアメリカ隷属の精神風土となって継承された。
 
 B)>北海道札幌の白鳥警部射殺事件は非合法闘争としては有名であるが、
当時、共産党絡みと称されたその他の死傷事件は全部、GHQ謀略機関主導、旧軍関係者実行による、共産党と当時それが主導していた日本労働運動壊滅をもって、戦後民主化時代から冷戦体制へと急旋回させようと画策した一大政治謀略事件である。
 
 >国鉄総裁下山、常磐線轢死事件を皮切りに同年に連続して、三鷹駅構内無人列車暴走死傷事件、福島県松川町列車脱線転覆事件が発生する。
 
 同時にこの共産党非合法、非公然時期において、党は二つに分裂している。
今の共産党指導部の系譜を遡っていくと、この時期に非合法、非公然闘争政治路線を否定していた部分に行き着く。
 
 その3。戦争特需。
米軍への物資、サービスの調達に限っただけでも合計15億ドルに達する。
当時は、1ドル=360円固定レート時代だから、5400億円にも上る。
戦争の始まった1950年10月、すでに鉱工業生産は戦前の水準を突破。
  
 >太平洋戦争によって、生産設備は全部破壊されて、戦後の日本人は廃墟の中から1から経済を再建したように喧伝されているのは{戦後高度経済成長を美化する神話}である。
 
 実際に米軍爆撃にもかかわらず、7割の生産設備は修理すれば、稼働可能状態にあった。だからそこに朝鮮戦争特需が恵みの雨の如き効力を発揮した。
 
 戦前の継承は官僚や天皇制ばかりか、生産設備も、継承された。
 
 >戦後経済成長の時代には、知らず知らずのうちに、それに相応しい「神話」が流附されていた。
原発安全神話もその一つだが。
 
 日本人は目的の達成のために自分勝手な神話を生みだし、視野狭窄で猪突猛進する、明治以来叩き込まれた習性が抜けきっていない。集団性が強く、個々人に日和見主義、保守的人格が多いから、自分で自分に集団催眠をかけて、大事に臨む必要があるのだろうか?
 
 今冷静に日本の周囲を見渡して解ってきた事は無機質でアナーキーな資本主義は機会があれば、どこでも急速発展すると云うことである。
 戦後経済船長させてきた日本人が特別優秀だったわけではない。条件に恵まれてきた事実を知らなければ、また、視野狭窄で暴走する。
 
 大震災復興、原発事故収束の展望もハッキリしないのに、APECハワイ11月13日開催に向けてアメリカの設定したタイムスケジュールに沿って、TPP交渉参加を決定していくような拙速性は、もはや狂乱の段階に到達しているとしか言いようがない。
 今や日本支配層は神話を形作る、余裕さえ喪失しているようだ。
 
 もう、国民の中で切り捨ている奴はドンドン切り捨てると明け透けに云っている。
国民の大切な食料を外国依存する仕組みをわざわざ作り上げている世界に類を見ない先進経済大国である。
 
 日本の様に1970年~2007年に自給率を60-40まで20ポイントも減らしている国はどこにもない。
ほとんどの国が自給率を増やしている。
列記すれば次の通り。
 
 カナダ、フランス、アメリカ、ドイツ、オランダ、スイス、イギリス。
 
 減少させている国。
イタリア79-63。  オーストラリア206-173。 スペイン93-82。
 
 こんなことをやっているのは韓国日本だけだ。
 
韓国1970年80-2007年44。
安い輸入食料が入ってきて助かるって?
何度も書いている様にその国の労働力商品の価値は再生産費によって決定される。
食糧がやすくなれば、再生産費が安くなる、資本は安い再生産費でフレッシュな労総力商品を調達できる。
 給料は低下させてもよい訳だ。
 
さらにTPPによってベトナムの様な出稼ぎ労働力の稼ぎを当てにする国から日本本国の高賃金目当てに労働力がどんどん流入する。安い労働力が底辺に恒常的にプールされていれば、日本人全体の給料は下方に向かう。
 
こういうことは経団連の連中は全部知っている。
口に出してあからさまに云わないだけだ。
 金融面での収奪の方法はその方面の超先進国アメリカでいくらでも開発されている。
 
>一番大切なことは、その経済循環において、国民多数が恩恵を受け、暮らしやすくなる事である。