反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

 ~「ヒトは、忘れる生き物である。」~【記憶の脳科学】なぜヒトは覚え、忘れるのか~記憶の仕組み。ディメンティアを理解するために。<付録>アルツハイマー型認知症に関する最新の研究成果を含む情報記載。

wacwac 付録にアルツハイマー認知症に関する最新の研究成果を含む3本の記事を載せた。

 今回の記事を深堀していると、解るのだけれど腑に落ちない記事が続いた。今までこの分野で書いてきた記事の大枠で腑に落ちるものがなかったというべきなのだろう。直近ではWの入院先で読んだ立花隆の<脳の話>の大枠に拘る。

この脳の話を逆転すると、大脳辺縁系以上の脳の追加複雑機能を得てきた現生人類は認知症になって当然、なのだという結論に達する。

その線で読み解いていくWにとって、次の記事が目に留まった。ざっと目を通すと、どこかで読んだ記憶のあるフレーズに行き当たった。そうだ、理研、小保方スタップ細胞事件で批判の論陣を張っていたセンセイだった。今は当大学の副学長就任している。

<人間存在も究極の所、物質>であるとするWは物質の時系列的変節の推移を重んじるので、その視点を基底において【記憶の脳】を考える。

 良くまとまった整理をしている。

   第六話:人間の脳はどのようにして進化してきたのか

第六話:人間の脳はどのようにして進化してきたのか : 大隅典子エッセイ集

引用

DNAの塩基配列に書かれた遺伝情報のレベルでは、ヒトとチンパンジーの違いは1%余りであるにもかかわらず、両者の隔たりは大きく感じられる。←W、たいして違わないよ!

ヒトの脳はその他の生物とはどのように異なるのだろうか?

共通の枠組みからの進化
 第2話で、発生過程における中枢神経系の元は「神経管」といわれる構造であることを述べた。神経管はどの脊椎(せきつい)動物でも共通で、その起源は約5億年前に出現した原索動物であるホヤの幼生に遡(さかのぼ)る

その後進化してきた脊椎動物の脳は、どの生物でも基本構造は「脳幹」「小脳」「大脳」から成る

脳の進化 | BSI Youth

脳の進化の様子
 脳は新たな機能を加えながら進化してきた

魚類、両生類、爬虫(はちゅう)類では、

反射や本能的な行動を司る脳幹が脳の大部分を占めている。小脳や大脳は小さく魚類と両生類の大脳では、生きていくために必要な本能や感情を司(つかさど)る大脳辺縁系(古皮質)」のみ認められる

爬虫類では大脳に「新皮質」がわずかに出現する。鳥類は飛行に関連して、身体のバランスを取る小脳が非常に大きく発達している。

 哺乳(ほにゅう)類ではとくに大脳の新皮質が発達し、「感覚野」「運動野」といった新しい機能を持つようになる。

 霊長類(サル類)では新皮質がさらに発達して連合野」が出現し、より高度な認知や行動ができるようになる。ヒトでは、新皮質が大脳皮質の90%以上を占めている。
@つまり、脳は、基本構造が変化したのではなく、新しい機能が付け加わるようにして進化してきたのである。】

       ヒトの脳は大型化した

ヒトとチンパンジーが共通の祖先から別れたのは500~700万年前と推定されている。チンパンジーの脳の容積は500 cm3にも満たないが、ヒトでは1,500 cm3にも達しており、この間に3倍にも増えたことになる。脳そのものは化石として残らないが、頭蓋(ずがい)の骨の化石から、ヒトの祖先の脳の大きさを推定することができる。そのような推定によれば、脳容積の増加の仕方は、直線的というよりも、700万年前から200万年前まではゆっくりと大きくなり、その後、急激に増加して、現生人類と同じ程度になったのが約20万年前と見積もられている
ちなみに、直立二足歩行が可能になったことが、大きな脳を有することができた前提条件である。ただし、マッコウクジラの脳はヒトの3倍以上の大きさであるから、大きければよいというものでもない。また、体重との比で換算した場合にも、ヒトの脳は(体重にもよるが仮に60 kgとして)2.5%を占めるが、マウスの脳では3%以上になり、体重比が大きければよいというものでもない。

    進化に伴って増加したグリア細胞

脳の中には神経細胞のほかに、神経細胞を助ける働きをするグリア細胞も存在する。マウスでは神経細胞グリア細胞の数の比はほぼ1:1であるのに対し、ヒトでは1:5~10と、グリア細胞の数が格段に多くなっている。
グリア細胞の中で、オリゴデンドロサイトは神経細胞の軸索に巻き付いて「髄(ずい)鞘(さや)」といわれる構造を作り、これが絶縁体として働くことによって神経伝達の速度が格段に向上する。

素早い神経伝達は高度な神経機能を営む上での必要条件と考えられる。また、アストロサイトは神経成長因子や栄養因子などを分泌するとともに、シナプスにおける神経伝達を調している。
このようなグリア細胞の増加が進化の過程において生じ、ヒト型の脳をつくることに役立ったと推定される。

    進化に伴い再生力は失われた

「トカゲの尻尾切り」といわれるように、いわゆる「下等な」生物ほど一般的に再生力が強い。カエルの場合は、オタマジャクシの脳の一部を切除しても再生するが、オトナのカエルになると再生力が失われる。われわれヒトの場合には、脳出血脳梗塞(こうそく)などが生じると脳の組織の一部が傷害され、その部分は「かさぶた」のような「瘢痕(はんこん)」となってしまい、正常な神経細胞は再生しない。このような瘢痕にはグリア細胞が多数集積している。また、カエルの視神経を切断しても軸索が伸びて神経回路が再生できるが、ヒトの脊髄損傷の場合には、そこまでの再生は見られない。

 つまり、ヒトは進化の過程において素早い神経活動をマルチタスクに行うことができる脳を獲得することができたのだが、残念ながらそれと引き替えに再生力を失ったと言える。このような困難を克服するべく、現在、再生医療のための種々の基礎研究が盛んに行われている。

   第七話 W。<脳>神経細胞における大量集積ゴミによる進行性、症状との論旨は一貫している。認知症などという実態を隠す取ってつけたような名称よりも、老人性痴ほう症という昔の呼び名が真っ当であるとわかる。

   からだの老化と細胞の老化

生体を構成する細胞は限られた回数しか分裂・増殖することができないことが知られている。このような細胞分裂の限界、すなわち分裂寿命は、発見したアメリカの科学者の名にちなんで「ヘイフリックの限界」と呼ばれている。細胞分裂の限界は、その細胞が由来する組織、生物の種類によって異なる。例えば、ヒトの胎児から採取した細胞では、およそ50回の分裂が限界である。限界まで分裂した老化細胞では、それ以上増殖が進まもとに戻れないように抑制されている。

ちなみに、がん細胞はこのような限界がないことにより異常に増殖してしまう。

一方、細胞の中では、誰に命令されているわけでもなく

自律的に、それぞれの細胞にとって必要な栄養を取り込み、それを代謝してエネルギーを取り出したり、細胞にとって必要な材料につくり替えて必要なところに分配いらないものは排出する、という活動が行われている。細胞が老化すると、これらの働きに不具合が生じてくる

@とくに、いらないものを排出するようなお掃除」の機能が劣ってくると、ゴミが集積することによって、ますます細胞の働きが悪くなる。

細胞のお掃除では「ユビキチン系」と呼ばれる「ゴミを吸い出す機能」、つまり、タンパク質を分解する働きが中心となっている。

働きの悪くなった細胞を殺して、新しい細胞に置き換えることによって、生体はこのような細胞の老化に対抗するわけなのだが、個体が老化してくると、組織ごとの幹細胞(分裂しながら同じ細胞をつくりだす基になるタネの細胞)の働きが悪くなり、上記のような細胞分裂の低下により、新しい細胞の産生そのものがも減ってくる。

    神経細胞の劣化
 できあがった神経細胞が分裂することはない。第5話(5月号)で「いくつになっても脳細胞はつくられる」という話をしたが、これは海馬(かいば)など限られた部分に関してのことであり、脳の大部分の細胞については基本的に、生まれる前につくられたり、比較的若いうちにつくられ、たときから一生使うものがも多いある。

 神経細胞は多数の樹状突起や長い軸索を有する特殊な形をしているので、細胞の隅々(すみずみ)までお掃除を行うのが容易でないことが想像できる。このような神経細胞にとっては、「分裂の限界」よりは、「お掃除機能の劣化」がは重篤な問題となるつまり、神経細胞の入れ替わりはほとんど生じないので、細胞内に徐々にゴミが溜(た)まっていき、そうやって劣化した神経細胞によって不具合が生じるのだ。
パーキンソン病アルツハイマー病などの神経変性疾患といわれる病は、通常50歳〜60歳になってから発症するが、これらの病気にかかっている人の神経細胞を見ると、ゴミが大量に蓄積した状態や、その結果として死につつあるような神経細胞がはっきりと顕微鏡像としてとらえられる。このように、長い年月を経てゴミが集積することにより機能不全に陥った神経細胞が多くなることにより、運動の失調や認知障害などの脳神経機能の不全がもたらされる。

   神経細胞の老化と認知機能の低下

神経細胞の「ゴミ問題」で言えば、大量のゴミの集積が認められるようになった状態は、すでに末期的症状である。おそらくは、ゴミがそこまでは溜まっていない段階においても、ある程度、神経細胞の機能は損なわれているのであろう。
例えば、神経細胞の中にゴミが存在することにより、1個の神経細胞の中での神経伝達のスピードが悪くなると考えられる。さらに、次の神経細胞への刺激の伝達は、神経細胞の末端から神経伝達物質が放出されることによってなされるが、ゴミの集積はそのような働きも邪魔してしまうものと考えられる。つまり、アルツハイマー病の脳のように、神経細胞に明瞭なゴミが存在することが明らかになるよりも前の段階として「お掃除機能の低下」があるだろうと神経生物学者は考えている。
お掃除機能には個々の人によって差があり、年を取るにつれてそのばらつきが大きくなるためり、脳の老化の個人差が生じる。

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 【記憶の脳科学なぜヒトは覚え、忘れるのか~記憶の仕組み/記憶力を高める方法
                                  2019/6/20
 ~「ヒトは、忘れる生き物である。」~
▼記憶力を高める要素③「出力」
情報は見聞きした直後から忘れ去られ覚えたことの半分以上は30分以内に忘れ去られる。記憶を蓄積・定着させるには、繰り返し海馬を刺激する必要がある。
>情報は、入力よりも出力を繰り返すほうが脳回路へ定着するというデータがある。

これを裏付けるのが、ワシントン大学でカーピック博士が行った実験である。

カーピック博士は、学生を対象にスワヒリ語40個を5秒ずつ提示し、それを暗記させる実験を行った。実験では学生を以下のように4つのグループに分けた
記憶の蓄積は、「情報を頭に入れたとき」ではなく「情報を頭から出したとき」に生じることになる。

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【グループ(1)】
・40個を通しで学習させ、その後40個全てについて確認テスト。
・この学習とテストの組み合わせを完璧に覚えるまで何回も繰り返す

【グループ(3)】
・40個を通しで学習させ、その後40個全てについて確認テスト。
テストで思い出せなかった単語があれば、初めから40個全てを学習。
確認テストは以前に間違えた単語のみ
・不正解の単語がゼロになるまで学習とテストを繰り返す。

以前に間違った単語のみに対して確認テストをする(3)と(4)が早く終了するように思われがちだが、学習の速度は4つのグループで差がなかった

(1)と(2)の場合、約80点と好成績だったのに対して、(3)と(4)は約35点だった。

すなわち、

>毎回40個全てを学習したかどうかは再テストの成績に関係がなかのに対して、

>毎回40個全てについて確認テストを行っていたグループのほうが1週間後も2倍以上も単語を覚えていた。

@これは、テストのときに思い出して書き出すという出力(アウトプット)の作業が記憶の定着に効果があったことを意味している。

  ↓

wacwac 上記を絵柄で説明するとこういうこと!

手の込んだ(3)は逆に記憶の混乱を招く。シンプル(1)徹底の方が覚えやすくて、記憶が定着するのは当たり前。

  日本語教師は使えるゲーム教材

https://nihongopic.com/game-karuta/

日本語教師学習教材【神経衰弱ゲーム】

 

例えば家から学校や職場に向かうとき、目や耳から膨大な情報が入ってくる。ヒトはその情報の大半を「感覚記憶(1秒程度で消滅する記憶)」として扱い、必要性の高い情報のみを「短期記憶」または「長期記憶」へと変換していく。

 こう考えると、教科書の情報を目から入力しても、それらに「感情」や「興味」や「出力」が伴わないのであれば、まるで通学・通勤途中に目に入る情報のごとく全くといっていいほど記憶として定着しない情報であることが分かる。

 下図のラーニングピラミッドが示すように、講義や読書といった受動的な要素の強い学習方法の場合は知識の定着率は低くなるが、自身の体験や他者への指導(出力)が伴う能動的な要素の強い学習方法の場合は知識の定着率が高くなる傾向がある。

     

6.記憶の蓄積に限界はあるのか

記憶の定着のためには「感情」「興味」、そして「出力」(および睡眠)が重要であることが分かる。

 近年まで、海馬の記憶蓄積能力は小さいにもかかわらず、脳が記憶を獲得し続ける仕組みは不明だった。

海馬では、脳の発生が終了した大人においても

>新しい神経細胞が絶え間なく生産され続けていることがヒトやサル、齧歯(げっし)類を含む多くの動物種で分かっている。

発達期には

脳の細胞の基になる細胞(神経幹細胞が多数分裂して数を増やし、神経細胞グリア細胞に変化する(分化する)。この過程は神経新生と呼ばれる。

脳が完成した成体でも、

海馬では神経幹細胞は存在し、生涯にわたって新しい神経細胞が生産され続けている

実験にて人為的に海馬の神経回路を飽和状態にすると新しい記憶を形成することができなかったが、2週間が経過すると記憶獲得能力は回復した。

>これはすなわち、記憶量が限界を迎えても、一定期間が過ぎれば記憶量の上限が増加することを意味している。

神経新生運動によって促進されることも研究によって分かっている。

@また、海馬からの情報の転送は睡眠時に行われることも分かっている。

*転送時には実時間の倍速程度で興奮パターンの早回し再生が起こり、大脳皮質に送っている。

記憶の定着のためには「感情」「興味」、そして「出力」(および睡眠)が重要であることが分かる。

>学習内容に興味を持ち、書く・話すなどのアウトプットの機会を増やすのが効果的である。

wacwac 

PCキーボード入力は書くという行為を簡略化しているので記憶の定着にはなりにくい。

スマホ画面はPC画面に比べて小さくて検索情報一目の情報量が少なく(スクロールの手間省略しがちになる)、貴重な情報源に接する機会がその分だけ少なくなる。

いずれも散文的な情報連鎖を練り上げていくような思考形態には、マイナス要因となる。

ボクシングに例えると、パンチショット、KOショットは打てても、12ラウンドフルに戦って判定勝ちに持ち込むことはできない。

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W.自分の理解の都合上、結論から先にコピーした。冒頭に戻る。

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  2.「記憶」には3種類ある

▼「感覚記憶(感覚情報保存)」

目や耳、鼻などの感覚器官から常に得ている膨大な情報のうち、特に意識していないために1秒程度で消滅する記憶を指す。

▼「短期記憶」

15秒~30秒ほどで消滅する記憶。例えば、相手から聞いた住所や名前を紙に書き留めておく間だけなど、短時間だけ覚えておくときに使われる。ワーキングメモリー(作業記憶)ともいう。

▼「長期記憶」

年単位で(場合によっては一生涯)保持される記憶。自宅の電話番号や自身の名前、生年月日などがこれにあたる。

   図Aを踏まえて 下図Bのイソギンチャクのイメージ図を理解することが大切。

長期記憶(過去の想い出など)や体幹で習得した記憶(食事排泄入浴など日常生活動作ADL~~IADLは困難になる~~~、さらに運転技能←高度なIADLである。)は維持できる可能性が強い。

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          3.記憶の仕組み

 脳は多くの神経細胞ニューロン)によって構成されるが、記憶は神経細胞の単位ではなく、複数の神経細胞をつなぐシナプスの単位で行われる

脳の仕組みはしばしばコンピューターに例えられるが、実際には脳とコンピューターの仕組みは大きく異なる。コンピューターでは1つ1つの電子回路に情報(意味)があり、そこに蓄積された1つ1つの情報を読み上げることで意味を読み取る。これに対して、

 脳ではたくさんのシナプスに分散されて記憶する「分散コード方式」が使われている。すなわち、1つ1つのシナプスだけをみても意味は読み取れない。
1つの神経細胞には約1万のシナプスがあり、いくつものシナプスが同時に活動している。それゆえ、シナプスの全体的な活動の関係性を読み解くことではじめて意味が読み取れる

近年、記憶を定着させることに関わる神経細胞の構造が明らかになってきた。

神経細胞樹状突起にあるスパイン(棘)が、重要な役割を果たしていることが分かっている。スパインシナプスの情報を受け取る側にできた突起であり、繰り返しの学習によって同じ情報を何度もインプットすると、同じスパインに繰り返し情報が送られる。

>これにより、特定のスパインが大きくなる。
スパインが大きくなると、信号を効率的に受け取ることができるようになる

>小さいスパインのうちはさまざまな要素で自然消滅しやすいが、繰り返し情報が入り、スパインが大きくなると消滅しにくくなる。

          ▼記憶のカギを握る「海馬」

数多くある脳の部位の中で、特に記憶に関係しているのが海馬である。

短期記憶海馬と前頭連合野が担い、

長期記憶海馬が中心となって担う。

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海馬から送られてきた記憶の情報は、電気信号として大脳皮質の神経細胞を刺激する

その刺激が強くなるほど多くのシナプスが組み合わせされて伝達効率が増し

特定の電気信号が通りやすい特別な回路ができる

③その回路が長時間にわたって持続することで、記憶が保たれる

④記憶を引き出すときは、その記憶の回路に電気信号が流れて思い出す。

海馬の機能が注目を集めたのは、1950年代以降である。
1953年、重度の癲癇(てんかん)を患っていたヘンリー・グスタフ・マレイソンが、治療のために海馬領域のほとんどを摘出する手術を受けた。

 手術の終了後、手術を受ける前の出来事やそれまでに得た知識は覚えていたものの、新しいことを記憶することができなくなっていた。もっとも、運転技術のように身体で覚えることに関しては学習することができた。
このことから、海馬は長期記憶そのものを司る器官ではなく、長期記憶を形成する前段階に必要な器官であることが分かった。←W。イソギンチャクのポンチ絵厚労省オレンジリングキャンペーン教科書より~

海馬は多くの記憶を整理し、覚えるべきものとそうでないものを区別し、覚えるべきものと判断した記憶を大脳皮質に送る。こうして送られた情報が、長期記憶となると考えられている。

W。コンピューターでいえばCPUではなくOSなのか

海馬のその他の特徴としては、年齢を重ねても神経細胞が増える」「ストレスに弱い」などが挙げられる。
@海馬は快や不快の感情を作り出す扁桃体とのつながりが強く、ストレスによって海馬の神経細胞は増える力を抑制されてしまう。

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~~扁桃体(へんとうたい、英: Amygdala)は、ヒトを含む高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在する、アーモンド形の神経細胞の集まり。 情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つことが示されており、大脳辺縁系の一部であると考えられている。 扁桃核(へんとうかく)とも言う。←W。扁桃体(へんとうたい、英: Amygdala)は、ヒトを含む高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在」の部分は検索冒頭の説明から引用したが、下記の詳しい解説文とは違っているが今回は深入りしない。

 

引用 

魚から人へ 扁桃体の暴走ー「うつ病」とは|教育解体新書〜しもさんのブログ〜

扁桃体とそのとなりにあって記憶をつかさどる「海馬」、そしてもう一つ「DLPFC(背外側前頭前野)」←W知らなかった!の3つは、互いに影響し合いながら連携して活動する。
海馬」がストレスホルモンの分泌を制御する働きをもち、

「DLPFC」が「扁桃体」の暴走を鎮める役割を果たす

~~~前頭前野前頭前皮質)は、複雑な認知行動の計画、適切な社会的行動の調節など、脳のもっとも高度な機能をコントロールしているといわれています。 背外側前頭前皮質dlPFC)は、その前頭前野に含まれます。~~~~←W。一般的に前頭前野前頭前皮質)が「複雑な認知行動の計画、適切な社会的行動の調節など、脳のもっとも高度な機能をコントロールしていると説明されている。 背外側前頭前皮質dlPFC)はその一部であり、扁桃体」「海馬」との連係機能を司っている。

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 しかし

>長期間のストレスが蓄積し、扁桃体」が過剰に反応し続けると

「DLPFC」が正常に機能しなくな

この「DLPFC」は、思考・判断・意欲をつかさどり、これが機能しなくなると、判断力が衰え、意欲も低下することになる。

 

また、

扁桃体」 の暴走によって過剰なストレスホルモンが分泌され続けると、そのストッパー役の「海馬」が制御不能に陥り、破壊され、萎縮してしまう。これにより記憶力が減衰する。

こうして判断力が鈍り、意欲がなくなり、そしてもの忘れも多くなる、〈うつ病〉の症状が現出するのだ。
皮肉にも、自己防衛のための「扁桃体」が自己に刃(やいば)を向けることになる

W。太古、魚類がオオムガイの餌食になるのを防ぐため恐怖感をインプットする扁桃体」が発達した。

  4.「思い出せない」には2種類ある(記憶の二層構造)

この20年ほどの研究で、アルツハイマー病は少なくとも初期段階においては「記憶が失われた状態」ではなく「脳のどこかにある記憶を引き出せない状態」であることが明確になった。このことは、「思い出せない」という状態が2種類あることを意味する。

 1つは、「思い出せないけれど、見る(聞く)と思い出す」状態であり、

もう1つは「見ても(聞いても)思い出せない(=既視感がなく、初めて見た印象を受ける)」状態である。

W,誰しもよくあることだ。認知症の中程度進んだ人でも、ふるい記憶の引き出しのから過去の実物をみた経験記憶を引き出すことはできる。老化による脳の退化とデメンティアの区別は医学的にできるが、両者は別物ではない。

 Wは認知症は脳の老衰である、との基本見解を維持する。脳の老衰は自然現象である。アンチエイジングできない。開き直って日々を楽しく精いっぱい過ごすこと。コレが一番大切なこと。しかし、それが難しいというのも厳然たる事実。要はシジフォス的世界を受け入れることが肝心。巨石が山のふもとに転がり落ちると下野し再度、山坂を上を目指して押し上げる、シジフォスの不条理の全体像を受け入れ、戦うことことだ。wはこうした想いを誰にも話したことがないし、話す必要もないと考えている。なぜならば、他者に自分の人生を語る必要を認めないからだ。Wが少し語れるのは反俗日記の中だけだ。それで良し!

   ↓

前者は自宅の部屋の天井の模様や浴室のタイルのデザインの記憶などが例として適切かもしれない。いざ自宅(もしくは学校や職場)の天井や壁、床のデザインを思い出そうとしても、思い出せないというケースは少なくない。しかし実際に見て確認すると「ああ、確かにこんな柄だった」と納得する。これはまさに、「脳のどこかにある記憶を引き出せない」状態である。すなわち、「見れば分かるが見ないと分からない(思い出せない)」状態である。

「思い出せない状態」と「記憶」がそれぞれ2種類ずつあることを踏まえてまとめると、以下のようになる。

1.自力で思い出せる状態・記憶(顕在記憶)
2.自力で思い出せない状態・記憶(潜在記憶)
3.そもそも覚えていない状態・記憶(記憶なし)

 記憶力を高めるというのは、3の状態を2に、そして2の状態を1に移行させることを意味する。W学校の教師のような真似はほぼ百害あって一利なし、とわかった。Wの悪い癖である。

     5.脳の構造から考える、効果的な記憶法

W。冒頭に戻った。

▼記憶力を高める要素①「感情」

省略

▼記憶力を高める要素②「興味」

省略

▼記憶力を高める要素③「出力」

記事冒頭に記載した。

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資料①アミロイドβ仮説による老人斑が脳神経を死滅させている説~もっともスタンダードな仮説。

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この説の矛盾点は資料③によれば
その1
認知機能の低下と老人班の多さが一致しない←W未知
その2
>認知機能の低下と脳委縮が一致しない矛盾←W。反俗日記に載せたことがある。
wacwac。その1とその2の矛盾が重なっているので、アミロイドβ仮説は補強する必要がある。
引用
アミロイドβは、アルツハイマー認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され排出されます。

しかし、正常なアミロイドβよりも大きな異常なたんぱく質ができてしまうと、排出されずに蓄積してしまうのです。実は認知症を発症する20年も前から脳に溜まり始めていると言われています。

蓄積したアミロイドβは、脳細胞を死滅させると考えられています記憶の主体である脳細胞が死滅すれば物忘れが起こると考えれば、イメージしやすいでしょう。また、アミロイドβは血管の壁に沈着することもあり、脳出血の原因となることもあります。

かつてはアミロイドβの蓄積を確認するには、死後の脳組織を顕微鏡で観察するしかありませんでした。

>しかし、今ではアミロイドPET(アミロイドイメージング)という検査により、画像診断で生きている人の脳内のアミロイドβの蓄積量が分かるようになりました。

図1 AD進行に伴うバイオマーカー等の推移

                      老人斑と神経原繊維変化

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             アミロイドβはなぜ溜まってしまうのか

「体を作る栄養素たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され一旦肝臓に蓄えられます。そこから各臓器に送られ、アミノ酸からそれぞれの臓器に必要なたんぱく質が作られます。

アミロイドβは、脳内で作られたたんぱく質が分解されたもので、40個前後のアミノ酸からできています分解される時の微妙な切れ目の差で、無害で排出されやすいものと、毒性が強く、たんぱく質同士が互いにくっついて脳に溜まりやすいものに分かれます。

蓄積のメカニズムについては、まだ完全には解明されていませんが、加齢などにより分解や排出がうまくいかなくなると、毒性の強いアミロイドβが溜まり始めると言われています。

最新の研究では、アミロイドβの蓄積をアルツハイマー認知症の始まりとする「アミロイドβ仮説」に基づき、毒性の強いアミロイドβの産生を抑え、分解や排出を促す方法が研究されています。」

           アミロイドβ仮説とは?

アルツハイマー認知症の発症について以下の仮説で、2010年に提唱されました。アルツハイマー認知症の原因と考えられている仮説の中でも、現在最も有力と言われているものです。

1.たんぱく質を分解する酵素の働きの変化により、蓄積しやすいアミロイドβの割合が増えて脳に溜まり始める。
2.アミロイドβの毒性により、神経細胞シナプス神経細胞同士を繋ぐネットワーク)が傷つけられ、糸くずのような神経原線維変化を起こす。
.傷ついた神経細胞が次々と死んでいくことにより、脳が委縮認知症を発症する。

現在の新薬開発の主流は、このアミロイドβ仮説に基づいていますが、

>他にもアリセプトやレミニールなど、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬開発の元となったアセチルコリン仮説やオリゴマー仮説などがあります。アミロイドβ仮説を否定し、別のアプローチをする研究もあります。

アリセプト(ドネペジル)とは | 認知症ねっと

引用

        認知症に対してどのように効くのか

私たちの脳は神経伝達物質を介して記憶・学習を行なっているのですが、アルツハイマー認知症レビー小体型認知症では神経伝達物質の1つであるアセチルコリンが脳内において減少していることが知られています。

脳内にはアセチルコリンを分解する役割を持つ酵素であるアセチルコリンエステラーゼがあり、アリセプトはこのアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害することで、脳内でのアセチルコリンの濃度を高め神経伝達を助けます。

       副作用

興奮やイライラ感、落ち着きのなさなどが出現することがあります。これは脳内のアセチルコリンが増加することにより、神経細胞が刺激されて生じるものと考えられています。投与開始や増量に伴い生じた場合は慣れてくるに従い自然に軽快することもありますが、介護者の負担が大きい場合にはアリセプトを減量・中止せざるを得ないこともあります。

またこれらの症状はアリセプトとは関係なく認知症の症状としても出やすいものであるため、これらの原因となるようないつもと変わった出来事がなかったかなど検討しましょう

     アリセプトの特長

認知症の周辺症状(BPSD)の中でも、意欲低下、無関心、抑うつといった症状への改善効果が報告されており、これらを伴った患者さんにとってよい適応となります。2015年現在、レビー小体型認知症に適応がある唯一の薬となっています。

コリンエステラーゼ阻害薬の中で、唯一高度のアルツハイマー認知症に適応のある薬です。軽度から高度まで適応があるため、途切れのない治療を行うことができます。1日1回の内服で済むため、飲み忘れの防止や本人・介護者の負担軽減になります。

 

認知症に関する取り組み|認知症|発生機序~さまざまな仮説~ |認知症 Cafést online

引用
「アミロイド」仮説
現在、多くの研究者の中で広く受け入れられているのが、この「アミロイド」仮説
アミロイドβ蛋白(Aβ)の前駆体蛋白(APP: amyloid precursor protein)からの分解によって生じるAβが、何らかの要因で脳内に沈着、この過程でタウ蛋白の蓄積、そして神経障害を引き起こし、最終的には神経伝達物質の異常や神経細胞死に至り、認知機能障害やBPSDといった症に影響してくる、という発症機序の仮説です。
また、APPをコードする遺伝子変異を伴った家族性アルツハイマー病(AD)があることも知られています。
アルツハイマー認知症では、アセチルコリンニューロンに強い変性が認められ、この中核症状にはアセチルコリン系障害が関与すると考えられることから、ドネペジル(商品名アリセプト)~エーザイ認知症治療薬の中でも古くから使用されており、国内外とも大きなシェアを占めていますなどのコリンエステラーゼ阻害薬が臨床使用され、アルツハイマー認知症の中核症状に対する効果が得られています。
しかしながら、例えば、「対象者の脳内に、アセチルコリンに反応する神経細胞が必ずしも十分量残存していない場合」、また「アセチルコリン作動性ニューロンのみでなく、皮質や海馬の標的部位にも障害がある場合」、さらには、「アセチルコリン作動系以外にも、ドーパミンセロトニングルタミン酸など、さまざまな神経伝達物質の障害もみられる場合」、その他、さまざまなタイプの認知症が併発する「混合型認知症である場合」などなど、発生原因の特定についてはケースバイケースで、その治療効果には個人差も大きいと考えられます。
「NMDA受容体」仮説
アルツハイマー認知症における記憶障害には、グルタミン酸作動性神経系も関与するといわれています。アルツハイマー認知症ではシナプス間隙のグルタミン酸濃度が持続的に上昇、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA(N-methyl-D-aspartic acid)受容体が持続的に活性化されているため、シナプティックノイズ(持続的な電気シグナル)が発生し、記憶を形成する神経伝達シグナルが阻害されることで、記憶や学習機能が障害されるとされています。
また、NMDA受容体はカルシウムチャンネルと連動しているため、高濃度のグルタミン酸による過剰な興奮が生じると、カルシウムイオンが大量に流入、必要以上に酵素が活性化され、細胞毒素を誘発して細胞死が起こるとも考えられています。
それらを背景として、NMDA受容体を阻害することにより、アルツハイマー認知症における①記憶・学習機能障害、及び、②神経細胞障害を抑制する、という目的でNMDA受容体遮断薬が開発されました。
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アルツハイマー病の原因遺伝子、感受性遺伝子 | 脳研コラム | 新潟大学脳研究所

引用

「はじめに:激増するアルツハイマー病(AD)~~W。 アルツハイマー病(アルツハイマー英語: Alzheimer's disease、略:AD)~~

国際アルツハイマーリポート(文献1)によると、2015年時点の認知症患者は世界で4,680万人に達し、2050年には1億3000万人を越えると推計されている。年間あたりの新規認知症患者数は990万人と見積もられ、実に「3秒に1人」が認知症を発症する時代に突入した。今後世界の高齢化はますます加速するとみられ、それに伴う認知症の社会経済、医療経済に及ぼす影響は計り知れない。今や世界的な規模での認知症克服は危急の課題である。

認知症の半数以上はADであり、「一度発達した知的機能が脳へのアミロイドベータ(Aβ)タンパクとタウ(tau)タンパクの蓄積に伴って緩徐進行性に障害される疾患」と定義される。

AD先天的要因である個々人の遺伝情報と、後天的要因である環境要因が複雑に絡み合って発症する「ありふれた疾患」で、加齢が最大のリスクファクターである

>遺伝子に関しては、変異の頻度は低いものの疾患寄与率が極めて高い遺伝子原因遺伝子)や、逆に頻度は高いが疾患寄与率の低い遺伝子感受性遺伝子)など(図1)、これまでに様々なものが同定されている。

   原因遺伝子

引用

1990年代に常染色体優性遺伝形式の家系を対象にしたマイクロサテライトマーカーによる連鎖解析により若年発症型の家族性ADの原因遺伝子が特定された

浸透率はほぼ100%で、親とおおよそ同じ年齢に達すると発症する。これらの遺伝子がコードするタンパクは全てAβの産生に関与することから「Aβ仮説」(文献2)が提唱され、それに基づく数多くの基礎研究、臨床研究が行われてきた。本仮説に議論の余地はあるものの病的Aβ、とりわけAβ42の代謝異常(産生増加、異常蓄積、クリアランス不全など」

感受性遺伝子 APOE

APOE(19q13.32)は人種を超えた最大かつ最強のAD感受性遺伝子である。

ADとAPOEの最初の関連は1991年のNambaら(文献6)の報告にさかのぼる。

>彼らはAD脳に特徴的な構造物である老人斑と神経原繊維変化に、APOEが共局在していることを免疫組織化学的に初めて示した。1993年にはRosesらのグループが家族性、及び孤発性の晩期発症型ADを対象とした分子遺伝学的解析によって、APOEとADの関連を立て続けに証明した。

日本人を含む様々な人種で検証され、APOE-ε3アリルに対してAPOE-ε4アリルはADの強力なリスクファクターであること、反対にAPOE-ε2アリルは防御的ファクターであることなどが明らかにされた。自験例による解析でも同様の結果が得られており、APOE-ε3*3に対するAPOE-ε4*4の粗オッズ比(95%信頼区間)は28.78(16.33 - 50.74)に達した(文献14)

その他にもAPOEの遺伝型・アリルは認知機能、脳構造、液性バイオマーカー(Aβやtau)などの量的形質と強い相関が認められる。特にAPOE-ε4アリルの保因者はAD発症のリスクが高いことから、予防介入を試みる探索的治験が海外で展開されている(文献7)

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www.osaka-cu.ac.jp

引用

最近の研究により、アミロイドβは、アミロイド線維を作る前に、数個~数十個の分子が会合した小さな集合体(「オリゴマー」)を形成し、これが脳内を泳ぎ回って神経細胞シナプスに作用し、その機能を邪魔することで認知機能の低下が起こると考えられるようになってきました(「オリゴマー仮説」)。この新しい考えは、アルツハイマー病の脳ではオリゴマーが増えているという観察結果とも合わせて、アミロイド仮説の問題点を解決するものとして、現在多くの研究者に支持されています。しかし、アルツハイマー病の発症に、オリゴマーだけでなく老人斑が共犯として働く可能性が根強く残されていました。

W老人斑は見当たらなくてもアルツ発症

新しいモデルマウスは老人斑が無くてもアルツハイマー病を発症し進行することが分かりました。つまり、新しいモデルマウスでは、8カ月齢頃より神経細胞内にオリゴマーが蓄積し、それとともにシナプスの機能が低下し、記憶障害に基づく行動異常が現れました。さらに高齢化してくると、記憶の中枢である「海馬」と呼ばれる部位で、神経原線維変化の前段階である異常リン酸化タウやグリア細胞(アストロサイト、ミクログリア)の活性化や神経細胞の消失も確認できました。念のためにマウス寿命に近い24カ月齢のモデルマウスを調べたところ、老人斑は全く存在していませんでした。」

アルツハイマー病でみられる異常脳病理変化の多くがオリゴマーだけで引き起こされることを明らかにした富山准教授らは、新世代の認知症薬のターゲットとして、老人斑ではなく、アミロイドβオリゴマーに特化した治療戦略の重要性を提唱しています。」