反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

アベ路線と内外情勢。 【IWJブログより第3次アーミテージレポート全文翻訳】

 アベ路線の骨格を明らかにするために、予定調和の見解になることを承知で、現時点から過去を振り返って順序だてて超手短に整理した。言わんとすることは、アベ路線は突発的に発生しているものではなく四半世紀以上の日本内外の政治経済の流れの到達点、ということだ。
それはもう歴史の分析対象としてもいいはずである。
 
 問題は国民的政治意思の結集した力で、大河の流れを何処まで修正できたか(選択の幅がどの程度あったか)
言い換えると、できることがあったのに、やらなかった、やれなかった問題点を確定し、アベ路線の特性をハッキリさせ、今後、どの程度の選択肢の幅があるのか知ること。
 
 ウクライナ情勢を見ると、今まで基本視座としてきたエマニュエルトッド的パターンを大幅に改める必要が出てきた。トッド的な帝国論は通用しなくなっている。
A)アメリカ、EUという世界情勢の主導因にバブル崩壊を通じて大幅な変化があったものと考える。
 
B)それらの外部要因というよりも内部要因に大幅な変化が生じて、(金融寡頭支配の制度的強化、カネ余り、モノ余り=金融資本の強蓄積過程の需要不足限界から周辺拡大、と失業貧困化の浸透)そのこともあって、
 
C)経済政治軍事の支配領域(テリトリー)を巡っての攻防が前面化している。(カネ、モノ市場の寡占状態は周辺拡大の欲求を必然化=マネー経済の架空資本の積み上げにも限界があり、周辺拡大のインパクトが強力に働く)
 
>日本の政治社会、軍事の変化は、それらへの副次的従属的対応である。
 
トッド的な世界観では可能であった国や民族単位で民衆世界を構築する冷戦構造的思考の残滓のような思考の本格的な克服が重要になってきた。厳しい課題である。
 
 
  上記の問題意識から、岩上安見さんのツィートは参考になる。
「今日の孫崎さんの話にあったように、冷戦終結とともに、ロシアのテリトリーであるニアボーダーは侵さないという合意があったはず。地政学的な安定のためにも、必要だったはず。
 ところが米国は、そうした合意などなかったかのように、NATOの東側の最前線を限りなくロシア国境に近づけている。」
              現時点から過去を振り返って順序だてて超手短に整理
  >アベ等の政治基本方向の原点
1)中曽根康弘レーガンサッチャー路線の国際政治の基本動向を背景にした総評解体=主流労働運動からの民同左派共産党系排除、組織基盤を弱体化させた社会党退潮の戦後体制政治の転換を出発点として、日米貿易摩擦プラザ合意による日本政府屈服→日本バブルとその崩壊、
 
そしてその戦後処理の一処方箋としての
 
2)小沢一郎の「日本改造計画」に典型を見出すことができる。
 
3)その発展形態が小泉の格差拡大と新自由主義の日本的ポピュリズム治であり、
 
4)民主党政権期の2年余りは客観的にみて、大半は党内抗争、大震災、原発事故対応に追われてた執行猶予期間(政治停滞の時期)であり、←(日本の悲劇)結果、
3)期を引き継ぎ拡大していく、ステップボードの役割を果たした、と見る。
 
 >安部政治の特質
 中央集権された各種の既存の統治装置中枢の急激な人的法制的再編成を通じて、自らの政治目標を実現していこうとする国家主義であり、このことは当然にも、国家機構に付着してきた従来の支配層の権益の温存、増徴に連動する。
 
 その場合の政治目標は日本国憲法、日本軍事力の再編による海外展開に焦点が絞られている。
経済政策アベノミクス)は不徹底な新自由主義であり、本格的な米国型新自由主義実施までの執行猶予期間となる。
    政治目標が達成されたとして、その向こうに何があるのだろうか?
 よく言われる<戦争のできる国、日本>というのは、
A、日米軍事同盟(日本は覇権従属)による日本軍事力の展開という「絶対」条件下にあって、
 
B、コレまで付きまとってきた法制的制約条件である、日本国憲法第9条の従来の内閣法制局による拡大解釈である自衛権行使を(法制的にも半集団自衛権状態にあり、リアル戦闘場面では実質的に集団自衛する。ただ積極的先行的派兵に法の縛りがあった。)、
 
C、さらに拡大解釈して、よりグローバルな日米共同作戦の容認に解釈しなおすことで、9条の制約条件に基づく国会審議を空洞化させて、
 
,内閣による日米軍事同盟の要請に基づく先行的積極的海外派兵、戦争発動に簡略化される、と理解する。
 
 
        【IWJブログより第3次アーミテージレポート全文翻訳】より
 
                エネルギー安全保障
     原子力エネルギー 
>原子力発電所の再稼動なしでは、日本が2020年までに二酸化炭素 (CO2) 排出量を25パーセント削減する目標に向って有意義な進歩を遂げることは不可能であろう。
 
 自国のCO2削減問題を棚に挙げて、こういう口出しをする普通の神経じゃない厚かましさからみても、紛争の火種をばら撒いて、火災が発生したら、今度は火消しの相談に乗るという、あくまでも仲介屋の言説と本来はすべきなのだが、アベ政権の周辺には米国ネオコン路線を是とするものが取り巻いていると想われ、また自律したの国際戦略を持たないので、ここでの各指摘の大枠に沿って、事が進行する可能性が強い。
 
       天然ガス
>しかしながら、米国と自由貿易協定(FTA)を締結していない国、特に、そのFTAに国のガス処理に関する条項がない国へのLNG輸出を求める米国企業は、まず、米国エネルギー省(DOE)化石エネルギー局の認可を得る必要がある。
>>日本のような非FTA締結国には、認可を与えることが米国の「公益」でないとDOEが結論しない限り、認可が与えられる。
米国は、資源ナショナリズムに走るべきではなく、民間部門のLNG輸出計画を禁止すべきではない

W。場合によったら、安価なシェールガスを日本は輸入できない事もありますよ、といっている。
 
     
    地球規模の石油、ならびにガス共有地W?/公有地W?の確保 
   W。シーレーン確保ー多国籍軍展開
 3.11以降の発電用石油需要の要件の上昇にも関わらず、日本は、2012年の最初の5か月イランからの石油輸入を3分の1に減少させ、米国の制裁と歩調を合わせた。
 さらに、海賊行為/著作権侵害ペルシャ湾からの出荷の保護、地域の平和に対する脅威(現在のイラン原子力プログラムによる脅威など)を除去するための戦闘を行い、
シーレーンの確保などにおいては、東京(日本政府)は多国籍軍との協力を強化する必要があるだろうし、それは歓迎されるであろう。
           
                経済と貿易
 昨年の発表以来、日本のTPP加入への歩みは遅い。
交渉への参加を遅らせないことが、日本の経済安全保障上の利益になる。 
 
      日米経済関係の活性化と確保 
W。TPPのほかにCEESA。カナダ、米国、メキシコ、日本のエネルギー資源同盟を新物件として新たに提起している。
>我々は、米日経済関係を強化し、確固たるものとするためにTPP討議に加え、骨太で革新的な多国間自由貿易協定を提案する。
CEESAには、次の3つの柱がある。
1.日本は、NAFTA北米自由貿易協定)との連携協力を目指し、メキシコとの既存FTAと並んで、カナダと米国とのFTA交渉を行う。(W。TPPとの関連はどうなる?)
NAFTA加盟国の各国と共に、日本はFTA(条約の)加盟[調印]国として、北米にあるエネルギーへの自由なアクセスを(拘束を受けずに)許可され、
かつ、北米におけるインフラと戦略的エネルギー投資機会を得るにあたって、有利な立場に置かれるだろう。
 
2.米国は、米日安全保障同盟の一部として、LNGガスと他の形状の“戦略的エネルギー”供給を、日本輸出用に保証することを誓約する。
 
3. 日本は1,000億ドルから2,000億ドルを、エネルギー開発を景気づける目的で北米に投資することを誓う
(W。100兆~200兆円投資を誓う?シェールガス井戸の開発は移動性が強く、フレッシュなマネーが必要)
これには、天然ガス、石油、石炭、風力、太陽、次世代の核開発費が含まれる。
 
 CEESAに調印すれば、日本は、高度な工業化社会の急速に成長する部分と根本的に統合され、
TPPによって具体化される先進経済と新興経済の架橋を支援し、世界最大の自由貿易圏を構築することで世界的な経済成長を促進することになる。W??
W。気づくことは、いい加減な面が多いが、各分野各項目に相互関連性が強く、包括的な戦略性がある。追い込み方が上手い。

 
               近隣諸国との関係
    米日韓関係を再興するために
>中国の再興に対処する最適な地域環境を整えるために大いに必要とされている3国間の協力は、短期的な不和によって進展を妨げられている。
 
 W.日韓歴史問題は障害   
米国はこのような問題に関する感情と内政の複雑な力学について理解しているが、
個人賠償を求める訴訟について審理することを認める最近の韓国の大法院(最高裁)の判決
>あるいは米国地方公務員に対して慰安婦の記念碑を建立しないよう働きかける日本政府のロビー活動のような政治的な動きは、感情を刺激するばかりで、
日韓の指導者や国民が共有し、行動の基準としなければならないより大きな戦略的優先事項に目が向かなくなるだけである
>同盟国は、根深い歴史的不和を蒸し返し、国家主義的な心情を内政目的に利用しようという誘惑に負けてはならない。
3国はW?、<別途非公式の場での活動を通じて>、歴史問題に取り組むべきである
参加国は、歴史問題についての共通の規範、原則、および対話に関する<合意文書>に積極的に取り組むべきである。
W。この文脈から又してもアーミテージ、ジョセフナイさん等に重要な出番が。
ハブとしては、横につながりの過剰は拙いわけで、本当は適当にもめていてくれたほうが、好都合。
 
 
            
               中国の再興
イ)特に心配な分野のひとつは、中国が中核とする権益の範囲を拡張する可能性があることである。
新疆、チベットおよび台湾という公式に言及される3地域に加えて、
 
 >南シナ海および尖閣諸島が新たな権益として言及されるようになった。
 後者については非公式であり、宣言されているわけではないが人民解放軍(PLA)海軍が南シナ海および東シナ海で存在感を強めているため、我々の推論はあらぬ方向に導かれる。
ロ、中国は1979年に鄧小平が「改革開放」政策を実施して以来、30年以上が経っており、成長が減速しつつあるという兆候が多数見られる。
中国が輸出主導から国内消費主導型の経済に移行するかどうかについては、疑問がある。
 
ハ、ここ数年のうちに、中国の指導者は
1)エネルギーの制約、痛ましい環境悪化、
 
2)厄介な人口問題、
 
3)国民と地方の所得不均衡の拡大
 
4)新疆やチベット少数民族の反乱
5)ならびに蔓延する公務員の汚職という、少なくとも6つの悪に立ち向かわなければならない。
 
6)そのうえ、経済の成功によって、中国の政治構造が、増加しつつある中間所得層から高まる期待に応えるように並外れた圧力を受けることになるという「中間所得の罠」に対処する不確定要素も加わる。
 
 これらの難題はどれをとっても、中国の経済成長の道を狂わせ、社会の安定を脅かす可能性がある。
 中国共産党(CCP)はこうした厄介な難題を認識しており、これを理由のひとつとして、
中国指導者は2012年に国内治安対策費を、おおむね防衛予算に匹敵する1200億ドルを超える規模に増額している。
 
 人民解放軍は、依然として、台湾の正式な独立を目指す動きを阻止することを含めて、外的脅威に対処する手段の開発に重点を置いている。
しかし、中国共産党は、内なる脅威も等しく憂慮している。
 
 我々同盟国側は、中国の平和と繁栄から得るところが大きい。
 あるいは、中国指導者が深刻な国内の分裂に立ち向かう場合には、
再び統一を取り戻そうと、現実のものであるか、想像上のものであるかにかかわらず、おそらく外的脅威を利用して、ナショナリズムに逃避しようとすることが考えられる。
 
        
            人権と日米同盟:行動指針の策定
 ハ)さらに日本に近い北朝鮮の問題は、難題である。
>>しかし、米国は、従来から、北朝鮮における人権問題を非核化という「メイン・イベント」から注意をそらすものとみなしており、日本は、主として、何年も前に北朝鮮に拉致された日本人の運命に重点を置いてきた。
朝鮮半島の非核化に関する6か国協議は事実上中断されており、韓国政府その他の関係国が緊密に連携して、人道に重点を置いた指針をまとめれば、
同盟国は、北朝鮮の新しい指導部が同国の将来を描く戦略的環境を、再び整える機会を得られるだろう。
  
                  【新しい安全保障戦略に向けて】
    地域的防衛連携
 防衛環境は著しく変わってしまった。
今日では利害地域は遠く南へ、さらには遥か西の中東まで拡大している。我々は戦略を十分に再定義し実行手段の調整を行うべきである。
 今後の新たな見直しでは、軍事、政治、そして経済国家的な権力の全ての組合せと同様に、
>より広範な地理的範囲を含めるべきである。
 
>イ、1980年代の見直しでは地理的範囲を拡大し東アジアでの協調能力を向上させ、
>ロ、90年代の見直しでは日本の防衛協力の空白部分に関する機能を明確なものとした。
W。イ、ロなどの一連の日米安保の適応範囲の拡大と日本の役割の確定を持って、半集団的自衛権状態と冒頭に記している。
     ↓
 防衛戦略:同盟の相互運用性に向かって  W。対中=(米軍、空海戦闘、統合作戦アクセス+自衛隊ダイナミック防衛)  対イラン=日本単独で掃海艇派遣を提案。
 
 新たな役割と任務の見直しにあたっては、日本の防衛及び地域の緊急事態における米国との防衛を含めた日本の責任範囲を拡大すべきである
これらは北京による「第一列島チェーン(日本、台湾、フィリピン)」、
もしくは北京が考える「近海」全体に対しての、より強大で戦略的な影響を与える意志を示している。
 
これらの種の接近阻止・領域拒否(A2AD)という挑戦に対し、
米国は空海戦闘や統合作戦アクセス構想(JOAC)などの新たな作戦構想への取組みを開始している
W。米中両者の挑発的軍事行動の恒常化。ダイナミック防衛で呼応する自衛隊。   
 
>日本は「ダイナミック防衛」の様な類似構想への取組みを開始している。
米国海軍と海上自衛隊が歴史的に2国間の相互運用性を牽引してきた一方で、
新たな環境はより強大な連帯と
両国における部局横断的な相互運用性及び両国間の相互運用性を明確に必要としている
 
  同盟防衛協力の潜在力が増加した2つの追加地域は、
ペルシャ湾での掃海作業>南シナ海の共同監視>である。
ペルシャ湾は極めて重要なグローバル貿易とエネルギー輸送の中核である。
ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、日本はこの国際的に違法な動きに対抗する為に単独で掃海艇をこの地域に派遣すべきである
>作戦の遂行能力と今後起り得る在日米軍自衛隊の合同機動部隊の軍事力を考慮して、米国は在日米軍により大きな責任と使命感を与えるべきである
W。集団自衛権承認は織り込み済みで、「今後起り得る在日米軍自衛隊の合同機動部隊の軍事力」とまで一体化~力関係から当然、下請けになる。
 
 第四に、米国と日本はグアムと北マリアナ諸島(CNMI)における新たな訓練領域を十分に活用すべきであり、
それはオーストラリアのダーウィンにおける新たな共有設備についても同様である。
共同の海上派遣軍事力は、日本、韓国、オーストラリア、カナダ、及びニュージーランドにとって中核的な焦点である。
米軍との訓練、特に海軍との訓練が、より広範に相互運用性を拡大させるだろう。
>W.アベさん論文の太平洋ダイヤモンド何とか構想の大本はここにある。
 
>最後に、東京は双方とそれぞれの防衛上の秘密と秘密情報を保護する為防衛省の法的能力を向上させるべきである。
秘密保持の点からすれば、現在の法管理体制は米国標準と同等のレベルではない。
政策と厳格な防衛訓練の組合せが、日本の初期の特殊作戦部隊(SOF)の能力を加速させ相互運用性を向上させるだろう。
 
        技術協力と共同研究開発 W。武器輸出規制緩和
マクロレベルでは、規制緩和が洗練した将来の武器と他の安全システムの共同開発の機会を促進させる。この点においてはミサイル防衛が素晴らしいモデルとなっている。
 
         拡大抑止 W。対中対露包囲網のことか
冷戦期に米国がベルリンを防衛できたのは、米国の約束に信頼を与えたNATO同盟という支柱と、多くの犠牲を払ってソ連の攻撃を食い止めた米国軍の存在の為である。
米国と日本は、米国の拡大抑止戦略と軍事力における相互の信頼を強める為に、現在の拡大抑止に関する対話を再活性させるべきである。
日本を巡る米国の拡大抑止の最も大きな保証は、日本の寛大な支援により強化されている米国軍の存在である。
        集団的自衛の行使
 W。3、11大震災原発事故における米第七艦隊出動、北海道自衛隊被災地輸送を集団自衛権行使の予行演習とする見方。         
 
3.11とトモダチ作戦は、米国と日本の軍事展開に興味深い皮肉を提示した。
>3.11は外部の脅威に対する防衛の問題ではなかった為、自衛隊と米軍が集団的自衛の禁止に注意を払うことなく対応したという点である。
米国の軍艦は、緊急事態に対応して北海道の陸上自衛隊を東北に移動させた

両国軍は、軍事的及び市民的な組織が災害救助と支援活動を行った、仙台での作業上の鍵となる飛行場を設ける活動に従事した。
これらの努力が北東アジア地域の回復への条件を生み出した。
 
>>トモダチ作戦時の憲法第9条の大まかな解釈に加えて、日本と米国は、他のいくつかの国々と協力してエデン湾での海賊行為と戦っている。
 日本はインド洋における極めて重要な海賊行為撲滅の任務に参加するために法的問題を再解釈している
>しかし皮肉なことに、日本の利害の保護を必要とする最も深刻な条件の下で、我々の軍隊は日本の集団的防衛を法的に禁じられている。
>>日本の集団的防衛の禁止に関する改変は、その矛盾をはっきりと示すことになるだろう。
>>政策の変更は、統一した指揮ではなく、軍事的により積極的な日本を、もしくは平和憲法の改正を求めるべきである。集団的自衛の禁止は同盟の障害である
 
 3.11は、我々2つの軍が必要な時にいかに軍事力を最大限に活用できるかを証明した。
平和時、緊張、危機、及び戦争時の防衛範囲を通して完全な協力で対応することを我々の軍に許可することは責任ある権限行動であろう
   
 
           提言
   
   日本に対する提言 W。今後の具体的な政策、行動指令
1)原子力発電の慎重な続行は、日本にとって正しく責任のあるステップである。
 2020年までに二酸化炭素(CO2) の排出量を25パーセントカットする意欲的な目標は、原子力発電所の再開なしでは成し遂げることはできない。
また、エネルギーコストの高騰は円の高騰を伴うため、エネルギー依存の高い産業の国外流出を食い止めるためには原子力発電の再開は賢明である

2)TPP交渉への参加だけでなく、このレポートでも説明されているCEESA(包括的経済エネルギー安保協定)の提案のように、 日本はより意欲的かつ包括的な交渉を締結せよ。
 
3)同盟国に最大限の可能性を示すためには、日本は韓国との関係を複雑にし続けている歴史問題を直視する必要がある。
東京は、両国間の関係における長期的な戦略的見通しを考察し、根拠のない政治的発言をさけるべきである。
三国間の防衛協力を強化するためには、東京とソウルは未決のGSOMIAとACSA防衛協定を締結し、三国間軍事協約を継続していく必要がある。
 
4)東京は、地域フォーラムに関わり続け、特にインド、オーストラリア、フィリピンと台湾の民主パートナーと関与し続けていく必要がある。
 
5)イ、新しい役割と任務の見直しにおいては、日本は地域の有事における自国の防衛と米国との共同防衛を含めることで責任の範囲を拡大する必要がある。
  東京は、二国間の、もしくは国家の保安機密と極秘情報を保護するために、防衛省(MOD)の法的能力を強化すべきである。
ロ、同盟国には、日本の領域をはるかに超えて拡張した、より堅牢で、共有され、相互運用の可能情報・監視・偵察(ISR) の能力と運用が必要である。
 
ハ、平時から緊張、危機、戦争状態まで、安全保障上のあらゆる事態において、米軍と自衛隊が日本国内で全面協力できるための法制化を、日本側の権限において責任もって行うべき。
 
6)
イ、東京はイランの核開発などによってもたらされた、海賊行為に対する戦闘、ペルシャ湾の海運業の保護、シーレーンの確保や地域の平和の脅威への対処といった、
多国籍の取り組みに積極的に参加すべきである。
ロ、ホルムズ海峡を閉鎖するというイランの言葉巧みな意思表示に対して、すぐさま日本はその地域に掃海艇を一方的に派遣すべきである。
ハ、日本は、航行の自由を保証するために、米国と協力して南シナ海の監視も増やすべきである
 
   
             米日同盟に対する提言
1)資源エネルギー関連
イ、福島の教訓を生かし、東京とワシントンは原子力エネルギー研究と開発協力を再活性化させ、安全な原子炉設計と、堅実な規制の実施を地球規模で促進させるべきである。
 
ロ、安全保障関係の一環として、米国と日本は天然資源同盟国(W。シェールガス輸出やカナダ、メキシコとの遡源同盟締結などの詳しい内容については上記に展開)であるべきである
ハ、日本と米国は、メタンハイドレートの研究と開発においての協力を強化し、代替エネルギー技術の開発に専念すべきである。
 
2)歴史問題関連
 ワシントン?、東京、ソウルは<歴史問題についてのトラック2会談を増やし>、このセンシティヴな問題に歩み寄る方法についての<統一見解をもとめるべき>である。
W。民間要人の外交努力分野の想定?。
そして、この会談で得られた提案や助言を施行出来るように、政界と政府のリーダーに提出すべきである。
3)対中政策関連
共同政策と能力には、<中国の起こりうる*核心的利益の拡大>!、<*弾道の変更
そして広範囲において起こりうる将来に対する適応性がなければならない。
>米国と日本は(おそらく韓国も合同で)、同盟における米国の拡大抑止の信憑性と能力への信頼を確保するために、拡大抑止に関する対話を再活性化するべきである。
 
4)北朝鮮
A、ビルマ(ミヤンマー)、カンボジアベトナム
B、北朝鮮に関しては、韓国と連携して、非核化と拉致被害者の問題に加えて、食糧安全保障、災害救助、公衆衛生を含む多岐にわたる人道問題に取り組むべきである。
W。このレポートの隠れた特徴は北朝鮮の核開発に関する脅威の認識はさほど強くなく、6ヶ国協議の枠内に収められ、再勃興中の中国への対応の副次的要素とされていることである。
 
W。日米集団自衛事態に巻き込むことで米国が日本を差し置いて中国市場から得られる巨大な権益を覆い隠している。
 
5)エアシーバトルやダイナミックディフェンスW?
米国と日本は、今日まで上層部からの注目を十分に受けることのなかったエアシーバトルやダイナミックディフェンスなどの概念を、役割分担、任務、能力の協議を経て提携すべきである。
6)ドモダチ作戦の教訓
米国と日本は、<民間空港の循環活用>、トモダチ作戦で得た教訓の分析、<水陸両用の軍事力を強化することによって共同訓練の質的向上>を図るきである。
 グァムと北マリアナ諸島、オーストラリアで行われる二国間防衛演習の質を向上させよ。もしくは他国のパートナーと行われる共同訓練機会を最大限に活用すべきである。
 
7)日米共同兵器開発。
米国と日本は、将来兵器の共同開発の機会を増やすべきである。短期的な軍備プログラムは、相互の利益と、作戦上の必要条件を満たす明確なプロジェクトを考慮すべきである。
同盟は、共同開発のための長期的な運用必要条件も明確にすべきである。
 
         
         米国への提言  米国の戦略的な選択肢の指摘と受け取る。
1)米国は資源ナショナリズムに陥ってはならないし、民間部門のLNG輸出計画を妨げてもならない。W?
危機時には、米国は同盟国にコンスタントで安定したLNGの供給を施すべきである。
議会は自動的なエネルギー認可と、
>日本を他の将来的に見込みのある天然ガス顧客と対等の基盤にのせるために、FTAの必須条件を省く法律改正をおこなうべきである。
 
2)TPP交渉のリーダーシップの役割においては、米国は交渉の過程と協定の草案をもっと明らかにするべきである。
日本のTPPへの参加は、米国の戦略的目標としてみなされるべきである。
 
3)米国は日本と韓国間のセンシティヴな歴史的問題に判断を示すべきではない。
しかしながら、米国は二国間の緊張を緩和し、両国の核心的な国家安全保障利益に注意を向けるための外交努力に全力を尽くすべきである。
 
4)>在日米軍は日本の防衛に特定の責任を任命されるべきである。米国はより重要な責任と使命感を在日米軍に割り当てる必要がある。
W。日米安保条約の規定では上記の事態に不明点があるということ。
 
5)米国は「武器輸出3原則」の緩和を活用し、日本の防衛産業の技術を米国向け、さらには豪州などの同盟国向けに輸出促進することを勧奨すべきである。
 
6)米国は大統領指名により、米日同盟円滑化の責任者を命じよ。日本もまた同様の配属を考慮するかもしれない。W。この厚かましさ。
W。両国ハンドラーの政府公認化。

    
         <追記>
 今、公示中の大阪市長選挙は橋下大阪市長の任期中の辞任、再出馬によって、議会制民主主義制度を内側から不必要な政争によって空洞化するものである。
 任期途中の公明党の離脱によって、議会多数派形成が頓挫して、大阪都構想なるものがデッドロックに乗り上げた結果辞任した維新の会共同代表でもある橋下大阪市長に対して議会多数派の自民党から共産党の議会多数派は共同戦線を張って、市長選への静かなボイコット戦術に駆使している。
 
 橋下前市長は当選しても残された任期を勤めるだけで、市長に議会解散権はないのだから、議会の構成は変わらず、何のための選挙かさっぱりわからない、選挙制度の私的政治利用のような選挙である。
唯一、この選挙で意義を見出せるとすれば、この間大阪を席巻した橋下維新政治の是非が間接的に投票率によって問われ兼ねないことである。
 
 こういう例は都知事選関連で先に記事にした2011年のソウル市長選挙である。
このときに記事は細川陣営のあり方を具体的事実を持って批判するため作成したものであった。
 
 このときの争点はソウル市内の小中学生の給食費の無料化に際しての所得制限の是非だった。
このときの市長は選挙結果によって新任が得られていないと判断すれば辞任すると約束して選挙戦に臨み、反対陣営は選挙ボイコットを決定した。
 
 結果、市長選の投票率約28%を見てソウル市長は辞任し、再選挙で当選したのが、市民運動を積み重ねて名前が知られていた弁護士だった。
このときに陣営の公明正大な外に開かれた候補者選出過程もあわせて記事にした。
 
 今回の大阪市長選挙。ソウル市長選挙の子供の給食問題と違ってはるか重く、地元住民に直結した政治問題が問われているものである。
何か日本の政治の現状を象徴するような事態に立ち至っている。
自分の希望としてはソウル市長選挙のような清い出所進退を望みたいところだが、政治を立身出世の踏み台にしている橋下市長にはそれは望みづらい、としていた。
 
 この渦中に240万円の供託金没収を前提に立候補している候補者が複数、出現した。
自分の感情からすれば静かにしていること、参加しないこと、拒否することも、民主政の重要な要素と思っているので、政治的未熟、勘違いを感じてしまうのだが、世の中にはいろいろの人がいていいと納得していた次第だった。
 ところが、立候補した2候補が、橋下候補のタウンミーティングと称する地域会合に参加し発言を求めたことから、騒動が発生している。
 
 まず第一に、橋下氏は先の統一地方選において、府知事を辞任して、同僚府議を府知事出馬させ、自らは市長選に出馬して当選したのだから、任期中の辞任は今回二度目。
首長になって全ての職務を任期満了を待たずに自分の政治目的のために職務を途中放棄している。
最初に辞任は政治的野心に燃えた若い政治家の突出で済ませることもできるだろうが、二度目の今回はピエロ以下、政治家としての根本的資質が問われて仕方がないものである。
 
 しかも、これまで大阪維新の会なる私的に通じる政治グループを、首長、地方議員選挙を次々に送り込んで、連動して政治目的を達成しようと画策してきた。
以上の政治手法や主張がコロコロ変わるなど嫌悪するものは多い。
民主政のとんでもない掘り崩し行為に他ならない。
コレがまだ一地方政治に留まっているから被害は最小限度で済まされているが、彼のような政治手法が中央政治でまかり通るととんでもないことになる。
大阪都構想なるものにそこまでして、達成しても多数派の住民生活にとってプラスに作用するかどうかである。
彼がこういうことを言い出して5年は経っているが、その間に次第にメッキがはげれ、実態がわかってくるに従って、都構想の矛盾を具体的数字を挙げて反対意見を整然と語る人たちが多くなり、それに納得する一般住民も増えていった。
 また地域政党としての維新の会議員、首長と構想では税収集中団体になる大阪都、マスコミ、各種団体の利権共同体が結成される可能性が出てくる。
 
 勿論こうした政治成果が短期間で達成された背景には地元マスコミ報道との連動や歴史的な経済地盤沈下=経済飽和状態などの客観的な様々な要因がある。 
 
第二。以上のような市長選挙の状況にも関わらず、候補者として乗り込んできて、橋下候補の会合に出現して発言をすることに意味を見出しているどうしたことか。
没収承知で240万円も供託金を振り込んで何をやっているのか。
邪道もいいところで、作法云々は別として、やっている行為自体は、それこそナチスそのものである。
>結成当時のナチスは敵対する陣営の政治集会、選挙のぶっ壊し、から名を売って大きくなっていった。
えらそうなことを言う前に、少しは過去のリアルな歴史を勉強した方が良い。
>また、日本の過去の大衆闘争でも集会破壊から、内ゲバが拡大し、引っ込みの付かないとんでもない事態に立ち至った。
>個別団体、個人を標的にする政治攻撃は、相手が誰であろうと、完全なコンとロール下で一定の範囲内で収めるべきである。
今回の両候補の他候補の会合にでむき発言を求める行為は根本的に間違っている。範囲オーバーである。
240万円もの供託金を納めてやる行為ではない。恥ずかしいとは想わないのか。
顔の向いている方向が違う。
 
>それで暴行を受けたからといって1週間の診断書までとって刑事告訴なれば、私に言わせると「犯罪者」邪道はこの二人である。
 
>集会荒らしや、個人攻撃は最初はある範囲で収まっていても、状況次第でとんでもない方向に拡大する。
もうそのときは手遅れである。
 
>警備する側の力を強め、民間の動きを萎縮させ、特定の動きを増徴させる。
コレが大衆政治活動の法則である。
 
>二人の候補者は深いことを知らないから、やっているだけである。
 
>また両者の一方的意見を報じているメディアは自分たちに火の粉が飛んでくることを知らなければならない。
そういう次元の攻撃が開始されると、取材側も萎縮する。
 
>それを未然に防ぐ方法は一つしかない。
>両候補のような選挙戦術をキチンと批判することである。