反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

2022-01-01から1年間の記事一覧

第5回。吉本隆明「良寛」。岡本かの子、小説「荘子」青空文庫より全文引用。

荘子 岡本かの子 紀元前三世紀のころ、支那では史家が戦国時代と名づけて居る時代のある年の秋、魏の都の郊外櫟社れきしゃの附近に一人の壮年=荘子が、木の葉を敷いて休んでいた。 彼はがっちりした体に大ぶ古くなった袍ほうを着て、樺の皮の冠を無雑作むぞ…

第4回、吉本隆明「良寛」。@現世的な悩みを生死からの脱化の流れに注ぎ入れて、肉体の修練を契機に、 @いわば自分を人間でもない動物でもない、植物でもない、もっと極端に言えば無機物だというところにもたらしてしまえば、生死もへちまもないんだ、⇒W。選民意識の一形態違うかな?人間にとって最も足枷になる生死への拘りがなくなった者は、反面で何をしてもいい、ということにならないか。

W。本文引用は必要の限り、アトランダムとする。 1思想詩 良寛の漢詩を読みますと禅の思想が仏教の中で一番根本的なものであり、禅の思想の中でも一番根本的なものは道元*1が開いた曹洞宗~W注2~なのだと述べています。」 <ここからしばらく仏教以前のイ…

第3回、吉本隆明「良寛」を解題する。日本型特殊封建社会の石高制、年貢村請負は近代以降の日本人の基底の集団規律の心性を育んだ。

小林一茶 - Wikipedia 宝暦13年5月5日(1763年6月15日) - 文政10年11月19日(1828年1月5日)) 良寛 - Wikipedia 宝暦8年10月2日(1758年11月2日) - 天保2年1月6日(1831年2月18日)) W。同時代の越後と信州在住の人だった。日本独特の近世、コメ年貢制度…

第2回。吉本隆明「良寛」。良寛の性格悲劇には緊張と弛緩の二つの位相。緊張の極限では、やがて来る近代の人間悲劇の必然的な形に接続し、 弛緩の極限では師国仙が贈り名にした<大愚>という性格に接続し、両者は僧侶としての厳密な規範において均衡していた。

吉本隆明「良寛」 序(文)引用 W僧侶として詩文家として「近世の制度の堅い網目に絡まれていた」~後世になって評価が高まった。多分、明治の文士の評価によって良寛の詩文の評価はたかまったが、多分にその人生行路と表裏一体で過大評価された。 ただし、…

第1回。吉本隆明著「良寛」。~吉本隆明解釈やその他の良寛像を反俗日記は史実に基づき探究し今、<大愚>を改めて問う~

W。 災難に逢う時節には 逢うがよく候 死ぬる時節には 死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるる妙法にて候 良寛 W。良寛没年74歳 1831年。 三条地震1828年に遭遇した知人にあてた手紙の一文。腰の据わった開き直り、というか禅問答的でもある。生きることは…

インターナショナルで行こう。

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2時間15分。スーパーカブ50で北海道一周イッキ見#1【北海道旅】原付キャンプツーリング。

WacWac。動画時間2時間15分。途中までしか見ていないが世界旅行記よりも面白かった。北海道は若いころ、バックパック背負って旅をした想い出の地。一般道からみた風景もほぼこんな感じだった。昔と大きく変わっていないよ。若いころ、日本全国ほぼ回っての感…

The internationale。西安(背後に旧長安城壁)、中国ロックバンド街頭生演奏。荘厳な唄ではない。洗練された歌ではなかった。すでにある体制の唄ではなく、その体制を打ち破るために最後の最期まで戦う意思を打ち固める歌だった。なぜロックバンドがあのように唄えるのか知りたい。日中欧の民衆の闘いについて過去記事から。

www.youtube.com HIU MO HUANG 8 か月前 這是最新版本,男主唱沒戴帽子好像還有兩段沒唱 W。グーグル翻訳 コメント引用 「これは最新バージョンで、男性のリードシンガーは帽子をかぶっていませんまだ2つの段落が残っているようです。」 W。基本、ドラムとギ…

高橋真梨子ライブ。~日本の歌手でエンドレスで流しっぱなしにできるのは高橋真梨子だけ~。

twitter.com www.youtube.com 高橋真梨子ライブ ランダム - YouTube 2,869,874 回視聴 2014/04/20 sinobu akiyama チャンネル登録者数 1.5万人 W。バラードよりも軽快な唄が好み。フィナーレのグランパ。それまでの歌唱法とがらりと変わったソフトな軽快感を…

関口知宏の中国鉄道大紀行3万6000キロ。ラサ出発⇒成都⇒桂林⇒上海⇒西安⇒天津⇒北京、瀋陽⇒フフホト⇒カシュガル

twitter.com 関口知宏の中国鉄道大紀行 W。1編~4編各1時間40分以上、全編見たわけではないがTV鉄道紀行番組の傑作だと思う。旅人の関口知宏は常に自然体、フレンドリー、この種の番組によくある騒々しさはない。口をぽか~んと空けて、よちよち歩き。し…

松岡正剛の千夜千冊  神仏習合 逵日出典 六興出版 1985@初期の仏像が「蕃神」とも「漢神」(からかみ)とも呼ばれたように、 @日本人にとっての「仏」は最初から“神”だったのである。仏教は当初から神祇の範疇としても捉えられる土壌をもっていた。トップで「仏」をとるのか「神」をとるのかという二者択一決定的なマスタープランの選択

twitter.com W。前回の記事に挙げた参考資料(千夜千冊)をざっと読んでみたが、ピンとくるものはなかった。結局①910夜「神仏習合」に終わっている。だから、この記事の冒頭に挙げた大層な目標は達成できそうにもない。各専門分野の研究者はいてもこの辺…

廃仏毀釈百年。1185 - 松岡正剛の千夜千冊『神仏習合』(他7本の関連著作の簡潔な論評と紹介所収)

W。以下8本。各々、作者の問題意識に沿って簡潔にまとめられている。こういう方面は黒田俊夫著作集、以来、接する機会がなかったが、「発心集」鴨長明を読んでいる際に、廃仏毀釈=廃仏棄釈の問題にぶちあたり、避けて通ることはできない、と感じて学ぶこと…

大山眞一。中世武士の出家と隠遁。1) 隠遁願望型出家―西行 2) 自己救済型出家―熊谷次郎直実3)陰謀回避型出家―宇都宮頼綱

2.中世武士の出家と隠遁(西行) 武士の出家隠遁の原因を以下の三ーンに便宜上カテゴライズしておきたい1) 隠遁願望型出家―佐藤義清→西行2) 自己救済型出家―熊谷次郎直実→蓮生3)陰謀回避型出家―宇都宮頼綱→蓮生 1) 隠遁願望型出家とは、 ディレッタンティ…

①中世武士の主従関係における死=武勲 ②近代国民国家形成の実利面と国家共同幻想に基づく戦死③グローバル資本制下の市民社会における<戦死>~今だけ、自分だけ、カネだけ~戦死の価格が①⇒②⇒③に向けて低下している!

wacwac (@wacwac05690282) | Twitter 中世武士の生死観(1)―中世武士の出家と隠遁の諸相― 大山 眞一 反俗日記、注目点抜き書き はじめに 「「来世的死生観(浄土教思想)→現世的生死観(西行・鴨長明)→普遍的生死観(卜部兼好)→倫理的生死観(武士)」と…

日本中世に仏教を語りつつも実存主義者表明をした鴨長明。「発心集」序末尾⇒ただ道端のたわいない話の中に自らの僅かな一念の発心を<楽しむばかり>。隠遁者から武士への生死観の進化←W何処が進化なのか?普遍的生死観(卜部兼好)⇒W論証されていない!W⇒今、死は個別個人の実存状況による。進化もないし普遍性もない。

http://rp-kumakendai.pu-kumamoto.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/1373/1/2405_matsumoto_29_38.pdf 鴨長明論~「方丈記」「無名抄」「発心集」を通して~松本勝子 W。所業が閉ざされ挫折するか(神職就任阻止、再就職固辞隠遁)中途半端なまま(殿上人…

注目点ピックアップ。方丈記⇒終の棲家方丈庵の「栄華」を連綿と書き記して結びの自己省察*お前は、姿は聖人の振りをしているだけ、と。貧賤の因果応報、迷いごころの果てに狂ってしまったのか、その時、心はさらには答えなかった。心のあずかり知らない南無阿弥陀仏を、三べんほど唱えて、この暁の随筆を、静かに終わりにしようか。W.方丈記は日本初の実存主義者宣言の書である!

twitter.com 出典 ↓ shikinobi.com 『方丈記』 心の章 この身の遍歴 おおよそ、あってはならない世の中だと堪えしのぎながら、心を悩ませること、三十年あまり。そのあいだ、折々に出会う不本意に、みずからつたない運命を悟る。そうしてついに、五十歳(い…

今の世に文学であることは<数寄>なのだ。貴司山治メモリアルサイトと「ゴーストップ」。鴨野長明メモ(11資料)。

今回の記事は1月4日(火)に大幅に追加編集した。現時点の拙い意見をそれはそれとして記すことが反俗日記の立場を貫くことになると思ったからだ。 1つはプロレタリア文学がずっと気になっていたものとし旧文をそのままにしておけなかった。「ゴーストップ」…