反俗日記

多方面のジャンルについて探求する。

#政界

フィンリー「民主主義ー古代と現代」より、抜粋。今と将来の日本。フィンリーが生き生きと描く、アテナイ民主政のリアルな実態は政治原理として参考になる。

アテナイ民会における討論と決定の<自発性>ー2章アテナイのデマゴーグー P90~「それは今日の議会制民主主義に少なくとも、欠けているものである。 発言者も聴衆もみんな、夜が訪れる前に問題が解決されていなければならないこと、かつ{自由に}目的的…

<第15回>フィンリー「民主主義ー古代と現代ー」講談社学術文庫と池上彰の「民主主義とは国民が<選挙によって>政治家に独裁的な権力を与えること」

第1章。指導者と追随者より。ー以下は章の総括であるー 1)P57。<民主主義のエリート理論>が論拠とするアテナイ民主政の衆愚政治に堕した、という<時と場所を踏まえない形而上学、得手勝手な想いこみ>への批判。 「アテナイは政治的リーダーシップと…

第14回。フィンリー「民主主義ー古代と現代」の「民主主義の伝統的原理が機能することを許されない、民主主義の先進国、英米という逆説」は市民革命で天下を取った資本家に民主主義の諸原理は搾取の邪魔。神棚へ。

「民主主義ー古代と現代」より。 民主主義の伝統的な原理が機能することは許されない、民主主義の先進国イギリス、アメリカという逆説。 「今日では~圧倒的多数の人々は、民主主義が最もよく知られ、考えられうる最良の統治形態であると認めている。 >それ…

世界経済の不均衡発展は鉄則。先進諸国の世界経済の占有率の低下は著しい。戦前、2、4の列強最低から、現在8%の急上昇は日本経済のみ。アベノミクスは後退促進要因。自分たちさえよければ他は野となれ山となれ。

JSミル。-竹中労ー人間は弱いから群れるのではなくて、群れるから弱いのだ。 .確かに「政治」「軍事」の究極の局面ではこの覚悟が必要だったし、これからも変わらない。「 」は広い意味を含む。 フィンリーの挙げるJSミルの言葉はアメリカ大学教員職からの…

第13回。日本マスメディアとアメリカの総合マスメディア、コングリマットの報道支配の現状。

日本メディア資本関係におけるクロスオーナーシップの規制がないことも事実である。 クロスオーナーシップ。ーグーグル引用。ー 「新聞社が放送業に資本参加するなど、特定資本が多数のメディアを傘下にして影響を及ぼすことをいう。アメリカではこれを排除…

第12回。人口扶養力に乏しいギリシアの気候風土を航空写真地図で改め実感。が、奴隷制や諸々を含めて、古代ギリシア人を他の民族とはっきりと区別するのは観念と価値観、という説には納得する。

ギリシア都市国家の軍事史の専門家、ビクター、ハンセンは、「古代ギリシア人と他の民族をはっきりと区別するのは<位置とか天候>ではなく、<観念と価値観>」であるという。 確かに自分もハンセンの指摘すような方向で古代ギリシアに向き合ってきたつもり…

第11回。古代ギリシアの戦争と民主政。前4世紀の古代ギリシア史の退行現象。資料~フィンリー「民主主義ー古代現代」。ハンセン「古代ギリシアの戦い」。澤田典子「アテネ 最後の輝き」。

1、フィンリー「民主主義ー古代現代」第三章、民主主義、合意及び国益。 <アテナイ帝国と3層櫂船の下層階層の漕ぎ手とアテナイ支配層。> W。アテナイ民主政に対して次の視点から、疑問。 A)アテナイ風土の人口扶養力の大きな限界性~アテナイ政治を政治…

第10回。古代ギリシャの戦争と民主政。同時代の世界共通、専制国家の道を歩まなかったアテナイ民主政への鈍感。

アテナイの場合、以上に加えて、多数のオールの漕ぎ手を要する戦艦の充実に軍事的活路を見出していったこと=多数の漕ぎ手は重装歩兵のように自前の軍備を必要としない、肉体提供だけでよかった. 重装歩兵以下の貧困市民が採用され、結果的に政治発言力を得…

第8回。古代ギリシャの戦争と民主制。フィンリー「民主主義ー古代と現代ー」。第4章ソクラテスと彼以後。J、Sミル「自由論」引用。

J、Sミルは「自由論」の中で次のように書いている。 「この論文(自由論)の目的は、~法的刑罰という形であれ、世論という道徳的強制であれ、 強制と統制という形での個人に対する社会の取り扱いを 絶対的に支配する資格のある、ひとつの単純な原理を主張す…

第7回。古代ギリシャの戦争と民主政。フィンリー「民主主義ー古代と現代ー」の重点箇所、引用を続ける。

1、アテナイ民主政の不可欠の要素としての国家宗教によって強化された共同体意識。 「共同体意識 (W。政治的同質性は民主主義政治の条件である、とはワイマール時代の左右の共通認識だった。)こそがアテナイ民主政治の実際上の成功をもたらした不可欠の要…

第6回。第5回継続記事。古代ギリシャの戦争と民主政。フィンリー引用、シュンペーターの<民主主義のエリート理論>と小沢一郎「日本改造計画」。

>最後に職業政治家も変わる、という指摘について。 人は変わる。確かに。 が、職業政治家への選挙民の回答は事実問題を挙げて、変化を問いただすべきじゃないのか。 漠然としたムード的了解は悪い癖。 そういう傾向が国民規模で根付いているから、小泉純一…

第5回。古代ギリシャの戦争と民主政。フィンリー引用、シュンペーターの<民主主義のエリート理論>と小沢一郎「日本改造計画」。

1、民会の行動を見れば、技術的な専門知識と同時に政治的な専門知識の存在を認めていた。 W.。直接民主制には民会、裁判制度の他に評議会、陶片追放~不適切提案訴追制度などの制度が機能していた。(W。民会での発言の具体的記録が現在に残っているのはペ…

第4回。古代ギリシャの戦争と民主政。フィンリー「民主主義ー古代と現代」より。指導者と追随者、アテナイのデマゴーグたち。重要ポイント要約引用。

1、アテナイ奴隷制への議論に対するフィンリーの切り替えし部分。 「アテナイの社会構造は自由人と奴隷という二元的なわけかたでが決して言い尽くせるものではない。 我々はデモス(W。人口の6分の1程度の18歳以上のアテナイ男性市民。なお、フィンリー…

第3回。古代ギリシャの戦争と民主政。フィンリー「民主主義ー古代と現代」から。デマゴーグの主導によって民主政は衆愚政治に堕落し、国家を崩壊させた、という俗説へのフィンリーの反論。

今回はフィンリーの全面的な引用になるが、日本人の我々がギリシャを論じる場合と、アメリカ人、ヨーロッパ人?が古典時代(ギリシャ、ローマ)を論じる場合、大きな段差があるということ、を踏まえる必要がある。 特に近代以前の民族国家の歴史のない(原住…

第二回。古代ギリシャの民主政と戦争。アメリカ南北戦争はアメリカの市民戦争(内戦)。翻訳語は日本人にしか通用しない。

人民の人民による人民のための政治、government of the people, by the people, for the people)はエイブラハム・リンカーンが1863年11月19日、南北戦争の激戦地となったゲティスバーグで戦没者を祀った国立墓地の開所式での、272語、3分足らずの短い挨拶(…

第一回。古代ギリシャの社会と文化、戦争と民主主義。

<参考資料> A)フィンリー「民主主義ー古代と現代」。 B)フランソア、シャムー「ギリシャ文明」。 C)ビクター、デイビス、ハンセン。ジョンキーガン監修、図説「古代ギリシャの戦い」。 まず、A)に基づき、古代ギリシャの時代区分をはっきりとさせる。 …

第三回。ホメーロス「オデッセイア」はミケーネ時代を舞台にしながらも、アテネ時代の背景やヘレニズム時代の影響を受けた実に個人主義的人間的神々と人間の葛藤の世界。素朴な共同体伝承はみいだせない。

中断した続き。 松岡正剛さん「千夜千冊」の「オデッセイア」の論旨に沿ってブログ記事を書いてきたが、その後、「イーリアス」と「オデッセイア」の成立した時代背景について別角度の説を参考にして アレコレ考えた末、自分の歴史に対する基本姿勢である実…

第一回。<ホメーロスをあえて取り上げる問題意識>結論。古代ギリシャ人の民主性と平等性への激しい希求は人類史上の「奇跡」と云う他ない。原点をホメーロスに探る。

<ホメーロスをあえて取り上げる問題意識> 結論部分を先に挙げたほうがよい。 >>結論。古代ギリシャ人の民主性と平等性への激しい希求は人類史上の「奇跡」と云う他ない。原点をホメーロスに探る。 【神の悲惨と恩寵の世界】masashi tanakaさんの素晴らし…

唐王朝を崩壊に追い込んだ黄巣の乱(875年~884年) において中国民衆は歴史の舞台に始めて登場した。塩専売制1000%消費税課税と密売人大元締めのネットワークは人民蜂起に転化した。

松本徹さん「世界史研究」中国編では論点解説は二つしかない。 その1、は「中国の統一帝国とその周辺」。 その内容をその周辺」の状況の確認と関連を省略し、中国の統一に絞れば、 (領域国家分立時代を経た国を統一する意味と秦帝国の必然性)となる。 >…

第二回。中国史、理解のキーポイント。松本徹さん「世界史研究」。<前振りNO2>近隣諸国、民族への敵対心を煽る連中が支配中枢から末端まで大量集住しているのは先進国で日本だけ。

松本徹さんは戦前、敗戦直後の中国史の先達、内藤湖南の中国史理解の踏み込んだ視点を踏まえたヒトと理解する。用語で言えば内在的<批判>(当該国の歴史に一端踏み込んで客観的事実を押さえて、歴史評価の基準を提供する)という立場である。 >歴史に立ち…

高校世界史教師、金岡新のネット公開「世界史講義録」中国史編は勘所を押さえて、面白く。一番、難解な魏晋南北朝時代、抜粋。

第32回 魏晋南北朝(一般的呼び名) 南方の政権に着目して六朝(りくちょう)時代という言い方もあります。 三国の呉、東晋、南朝の宋、斉、梁、陳、全部で六つの王朝があるでしょ。だから六朝。 この六つはすべて都が現在の南京にあったので、ひとつづき…

今、思考を集中させている対象の断片に潜在する同義要素を整理整頓して表現できず=論理が立たず。

う~ん。行き詰った。方向転換してフランス、中国、アメリカを羅列するしかないのか。時間もない。自分流の物差しが不足している。 ウィトゲンシュタインや自分の方法論を意識しても、自分に設定した課題に使いこなせない。散漫そのもの。 中国、ヨーロッパ…

明治維新の背景。原爆を二発も頭上に落とされ相手への一転、迎合。TPP時流へ簡単に漂流。日本人の「負けっぷりのよさ」探求。小田実からウィトゲンシュタインへ。

(省略) >さて、小田実の該当箇所。 「維新史を読んでいて驚くことがある。それは薩英戦争で薩摩が負ける。4カ国連合艦隊に召集が敗れる。 ーーと薩摩も長州も相手と仲良くなってしまうことである。 あれだけ攘夷という思想を掲げていたのだが、一夜明け…

国歌を巡って。英国歌(1775年?対スコットランド戦争中)ー仏国歌(1792年フランス革命義勇軍の賛歌)ー米国歌(1812年独立戦争中作詞、1931年現曲)。君が代(1880年侍従長)。

一番古いのは英国歌。当然であろう。国民国家形成が先進国で屈指(オランダの方が早いかも?国家形成までの過程で民主主義制度のギリシャローマの市民参加民主制の普遍性を先進的に継承しているのはオランダ方だろう。)スペイン、オランダを退けて、世界の…

植草一秀ブログ2013年2月24日 (日)付け記事。「メディアが主導するTPP参加のための巨大茶番劇」を批判する。その戦後史観、論法ならば、植草が支持すべきは小沢一郎等ではなく日本共産党ではないのか。

(冒頭のアメリカ論、マスコミ論は削除した。) 自分の基本姿勢は民主党政権全体をできるだけ辛抱強く支持するというものであって、そのためには自分の原理原則は一時脇においておいてもいいとさえ決断していた。沖縄普天間基地移転問題がその象徴である。 …

小沢一郎さんらを批判する。

小沢氏らの昨年秋からの民主党からの離脱ー「生活が第一党、結成」-寂寥を呼ぶ薄ら寒い風の吹くような小沢氏独り舞台の記者会見。 私はもうこの時点でアウトを認定したが、それ以前の橋下維新との関係の見定めに政治的トロさを感じた。 大急ぎで出世階段を…

松尾芭蕉ー小林一茶ー正岡子規と桑原武夫の第二芸術論。及び、戦後的、司馬遼太郎と村上春樹の重層と均衡破壊、春樹海外雄飛を日本思想史として総括する。

前回の記事で、桑原武夫の俳句第二芸術論を取り上げた。敗戦直後発表されたときは、その方面にそれなりの衝撃を与えた。正岡子規によって確立された近代俳句の歌壇が、長期にわたる戦時体制の一端で戦時キャッチコピーの如き役割を果たし、不相応な既成の権…

松尾芭蕉(江戸前期)ー小林一茶(後期)。正岡子規(明治時代、発句として芸術化?)の代表作が「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」程度じゃ。、大衆化?衰退?本質?今でも衝撃残る桑原武夫の俳句ジャンル第二芸術論。

柄に似合わない格好をつけて、松尾芭蕉だの平家物語、木曽の義仲、粟津のくだり、など、己の生活実態とまるでかけ離れた自己欺瞞である。 その上で、東アジアなんだかんだを持ち出して、理屈をこねて村上春樹を批判したつもりでいる。 日常生活でカントリー…

村上春樹嫌いは春樹ワールド創造に負けている。春樹ワールドと司馬遼太郎史観は日本と世界の主要イデオロギー。批判するためには評論の志がいる。

村上春樹に読者層に一般受けする活字世界があることは十分認める。 が、好き嫌いの次元の問題、嗜好の問題ではない。 もっと云えば、そもそも、遡って文学という翻訳語に問題がある。 「A)中国・日本での「文学」の語は古代より書物による学芸全般を意味した…

松尾芭蕉。夏草や兵どもが夢の跡(奥州平泉にて。「平家物語」の木曽義仲フリークから義経の最後を想う)。荒海や佐渡によこたふ天の河(パノラマ)。旅に病んで夢は枯野をかけ廻る。(病の死の床で)。

松尾芭蕉 奥の細道。松岡正剛の千夜千冊」から抜粋引用。 芭蕉は天才ではない。名人である。芭蕉は才気の人ではない。編集文化の超名人なのである。 このことは芭蕉の推敲のプロセスにすべてあらわれている。芭蕉はつねに句を動かしていた。一語千転させてい…